アウトバウンドセールスは「AIにおまかせ」の時代へ。進化するセールステックの最新動向
アウトバウンドセールスにおいて、見込み客(リード)の発掘は重要度が高く、顧客獲得のための最初のキーポイントである。米国のスタートアップ「Bluebirds」は、AIを活用してより効率的にリード獲得を行うサービスを展開している。
元リンクトインのリーダーたちによるスタートアップ「Bluebirds」
Bluebirdsは元リンクトインのリーダーたちが2022年に創業した気鋭のスタートアップ。同社のサービスは、AIが生成した「トリガー」によりターゲットにすべきリードを発掘し、適切なタイミングで適切な個人に対して、適切なメッセージを一気に送信する。 同社は2023年10月に500万ドルのシード資金を獲得。この資金を使ってAIやデータの専門エンジニアの採用や、より低いコストで取引を成立させる包括的なソリューションの開発をする予定だという。
AIがアウトバウンドセールスを自動化する
従来の営業では、ランダムな潜在顧客リストに大量のメールを送ったり電話をかけたりするアプローチが主流であった。これでよかった時代もあったが、今は競合他社も同様の手法を取っていたり、高性能なスパムフィルタが導入されてメールが届かなかったりと、以前ほどの効果は見られなくなってきている。 Bluebirdsのトリガーは、LLM(大規模言語システム)と機械学習を組み合わせた独自のAIが生成している。 最近開発されたトリガーのひとつに「転職トリガー」がある。既存顧客のCSVをアップロードすると、AIは独自のアルゴリズムによってウェブ上の公開プロフィールと照合し、その人物が転職したかどうかを探し当てる。 またその際、その転職が「正当」であったかどうか(不祥事による退職の可能性はないか等)も検知して、最終的にはその人物が「最適な見込み客であるか」をランク付して判断してくれるのだという。 AIが最初にふるいにかけることによって、営業担当者はスムーズに次のステップに移行することができる。 Blirbirdsの基本ツールは無料で利用することができ、現在すでに登録企業は100社を超える。同サービスを利用するデジタルマーケティング会社G2のゴダード・アベルCEOは「使ってから24時間以内に1万人の転職した既存顧客が検出され、翌週には10万ドルの営業効果があった」と賞賛している。 Bluebirdsのローハン・プナミア共同創業者は「サービスはまだベータ版であり、開発中のものもいくつかあります。LLMは強力なテクノロジーですが、これを効果的に使うことは “芸術の領域”と言っても過言ではありません。私たちはこれを慎重に、どうアウトバウンドセールスに活用できるかを学んでいるところです」と述べている。