強烈な幻覚……「新しい自分になる」と8階から飛び降り死 危険ドラッグ「1D-LSD」とは? お香に偽装も【#みんなのギモン】
■救急搬送や逮捕も…20代と16歳が摂取か
河出奈都美アナウンサー 「自ら飛び降りようとしてしまうことがとても怖いなと感じたんですが、これは最近になって流通し始めたものなのでしょうか?」 富田解説委員 「そこもはっきりと解明されてはいません。因果関係は分かっていませんが、2つの死亡例以外にもトラブルが相次いでいるということです」 「去年8月には東京・浅草の路上で1D-LSDを摂取したという20代の男性が全裸状態で発見され、首を切った痕が複数あったため、救急搬送されるという事案がありました」 「東京・町田市では16歳の男子高校生が摂取後に通行人に暴行を加えたり、路線バスや車を壊したりするなどして逮捕される事件もありました」 森圭介アナウンサー 「これまでのトラブルの年齢を見ると20代とか10代とか、若い世代に広がっているという印象を受けますよね」 斎藤佑樹キャスター 「因果関係は分からないということですが、こうしたトラブルがずっと続いているということになるとすごく深刻だと思うんですよね。どうやったらこれを解決できるようになるんですか?」 富田解説委員 「現状は1D-LSDの製品の販売を禁止するだけで、製品をつくるための成分までは規制ができていません。厚労省は今後速やかに成分を分析し、指定薬物にするか検討するとしています」
■「危険ドラッグ」検挙数は再び増加
富田解説委員 「一方で、危険ドラッグをめぐる状況は深刻です。警察庁によると全国で危険ドラッグを使ったなどとして検挙された人数は、2015年は1196人でしたが、2021年には145人まで減りました。しかし一昨年と去年は再び増加傾向となり、去年は424人となりました」 「警察庁によると、去年その危険性が指摘された“大麻グミ”の成分であるHHCHなどが指定薬物となり、取り締まりの対象になった結果、検挙数が増えたとみられています」
■海外から日本に入ってきた可能性も
森アナウンサー 「これまで見えていなかったものが明らかになって増えているように見えるということですが、大麻グミや1D-LSDはどこから日本にやってきてるんですか?」 富田解説委員 「危険ドラッグの有害性に詳しい湘南医療大学の舩田正彦教授に聞きました。舩田教授によると、LSDに似た成分の製品の流通は最近海外で増えている傾向がみられていたといいます。つまり、海外から日本に入ってきた可能性もあるということです」 「これまでの危険ドラッグも、先に海外で流通が盛んになっていたケースも多いということです」 鈴江アナウンサー 「これだけ海外と日本と行き来が激しい時代ですから、日本だけせき止めるということも簡単ではないんだと思いますが、その危険性を知らずに若い人が手を出してしまうのは本当に心配ですね」