日産の北米用「マキシマ」が米国1995年インポート・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞【今日は何の日?12月29日】
一年365日。毎日が何かの記念日である。本日12月29日は、日産自動車の北米専売車「マキシマ」が“インポート・カー・オブ・ザ・イヤー1995”を受賞したことを日産が発表した日だ。同賞は、米国の自動車専門誌モーター・トレンド誌が米国に輸入されているクルマの中から最も優れたクルマ1台を選出する名誉ある賞である。 TEXT:竹村 純(JUN TAKEMURA)/PHOTO:三栄・80年代日産車のすべて 日産・マキシマの詳しい記事を見る ■マキシマが米国で1995年インポート・カー・オブ・ザ・イヤー受賞 1994(平成6)年12月29日、日産自動車は北米専売車の4代目「マキシマ」が米国の有力自動車専門誌モーター・トレンド誌主催の“インポート・カー・オブ・ザ・イヤー1995”に選出されたことを発表した。受賞会見は、同日ロサンゼルスにおいて行なわれた。 1995年の米国輸入車No.1に選ばれたマキシマ インポート・カー・オブ・ザ・イヤーは、米国の有力自動車専門誌モーター・トレンド誌主催でその年の米国での輸入車の中から最も優れたクルマに与えられる名誉ある賞である。 同賞は、スタイリング、動力性能、燃費性能、機能性、安全性など優れた技術、コストパーマンスのすべてを総合的に評価し、最も優れたクルマ1台を選定する自動車賞である。今回は、1995年1月1日までに米国で新規に発売、もしくはフルモデルチェンジした輸入乗用車および輸入ミニバンが対象になる。 インポート・カー・オブ・ザ・イヤーは20年の歴史を持ち、米国の輸入車に与えられる唯一、最高の栄誉であり、日産自動車は1979年の「ダットサン280ZX(2代目フェアレディZ:S130型)」、1990年の「日産300ZXターボ(4代目フェアレディZツインターボ:Z32型)」に続いて今回で3度目の受賞となる。 ブルーバードの北米輸出名として誕生したマキシマ マキシマの名前が初めて登場したのは、6代目「ブルーバード(910型)」をベースに1981年から北米向けに輸出された「ダットサン810マキシマ」である。 1984年には、モデルチェンジして「日産マキシマ」に改めて2代目となった。これを機に、日本でもブルーバードシリーズのトップグレード「ブルーバード・マキシマ」として発売が始まった。ブルーバード・マキシマは、FFに切り替わった7代目ブルーバード(U11型)のフロントノーズを90mm延長して、新開発の170psを発揮する2.0L V6 SOHCターボエンジンを搭載。トランスミッションは、5速MTと4速ATが組み合わされた。ただし、北米向け仕様車には排気量の大きい3.0L V6 SOHCが搭載された。 2代目マキシマの注目点は、FFに切り替わったことと、スーパーソニック・サスペンションと呼ばれる電子制御による自動切り替え式ショックアブソーバーを採用したこと。これは、超音波路面ソナーなどの各種センサーで路面状況を把握して、最適なショックアブソーバーの減衰量に切り替えるもので当時は世界初とされた。 マキシマは、ローレルとブルーバードの中間に位置するクルマとして日本でも人気を集めたが、何よりも北米で大ヒットしたのだ。 表彰された4代目マキシマは、再び北米専用車に マキシマは、1988年に従来のブルーバードの派生車でなく独立した3ンナンバーボディの3代目へと移行した。最高出力160psを発揮する3.0L V6 SOHCを搭載し、その後1991年のマイナーチェンジではDOHCエンジンを搭載して、最高出力195ps/最大トルク26.6kgmへと向上した。 そして、1994年5月に受賞の栄誉を与えられた4代目マキシマとなったが、日本ではセフィーロに統合されたので、この時点で日本でのマキシマの車名は消え、再びマキシマは輸出専用モデルとなった。パワートレインは、220ps/28.5kgmを発揮する新開発の3.0L V6 DOHCエンジンと5速MTおよび4速ATの組み合わせ。さらに、マルチリンクビームサスペンションなどを採用し、動力性能、燃費、操縦安定性、乗り心地など高い評価を受けて、発売後約半年後の11月末時点で販売は約6.3万台を達成した。 今回のインポート・カー・オブ・ザ・イヤー選出においては、クルマ自体の評価に加えて販売台数も考慮の対象となっており、マキシマはこの点においても高い評価を受けたのだ。 ・・・・・・・・・ 1984年の2代目マキシマ以降、マキシマは日産の北米事業を支えるフラッグシップの高級セダンとして貢献したが、2017年頃から販売は落ち込み、2023年に生産を終了した。1994年以降、北米で人気を獲得していたマキシマの日本での販売を望む声もあったが、今となってはそれも叶わなくなってしまった。 毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。
竹村 純