〝高橋藍効果〟でホーム2連戦完売も…東レ静岡、5連敗 阿部裕太監督「何もさせてもらえなかった」
◆バレーボール ▽大同生命SVリーグ 東レ静岡 0(19-25、20-25、18-25)3 サントリー(10日、沼津市香陵アリーナ) 東レ静岡は、サントリーに0-3のストレートで完敗。対戦相手に所属するパリ五輪代表・高橋藍の人気もあり、チケット完売となった2連戦で勝利を挙げられず、5連敗となった。 記者会見場に訪れた阿部裕太監督の険しい表情が、すべてを表していた。「相手に何もさせてもらえなかった。スキル的に押されて、はね返す力がなかった」。前日(9日)は第1セットを先取し、第2セットも31―33と食らいついた。この日は身長218センチのムセルスキーら外国人選手を中心にバランスよく攻めてくるサントリーを止めることができなかった。 〝高橋藍効果〟で今回の2連戦のチケットは早々に完売した。高橋は左足首痛の影響で2試合とも欠場。前日が2506人、この日も2493人が訪れ、熱気に満ちたホーム4戦目でも勝ち星なし。得点源のアラン・ソウザをコンディション不良で欠き、2勝8敗で10チーム中9位と苦しんでいる。チームの精神的支柱、西本圭吾は「ベストメンバーではないし、言い訳しやすい状況だけど、みんないい訳せずに戦っている」と言葉を絞り出した。 今月2日の愛知戦で「ふがいない負けだった」とチームの士気低下を感じた阿部監督は、同戦を控えた3日朝、チームミーティングで指摘した。「誰がけがをしていても、誰が健康でも、勝つ姿勢の最低ラインを下回らないで欲しい」。そこから勝ちはつかめていないが、若手が多いチームの意識は変わりつつあるという。 西本は会見場で、両脇に座った主将・重藤トビアス赳、山田大貴の若手を見ながら「2人とも目の色が変わっている。着実に成長している」と話した。昨季、リーグ再編前最後のVリーグを3位で終え、SV初年度は優勝を目標に掲げたチームが、もがきながら前進している。
報知新聞社