【陸上】15歳・福田花奏が女子100mHで13秒09!! U18日本記録更新の快挙に「言葉も出ません」/U18・16大会
◇第18回U18・第55回U16陸上大会(10月18~20日/三重交通Gスポーツの杜伊勢陸上競技場) 3日目 【動画】驚異的U18日本新!女子100mH・福田花奏の走りをチェック! U18・U16陸上大会の最終日が行われ、ユース規格(ハードルの高さ76.2cm)で実施されたU16女子100mハードルで福田花奏(神河中3兵庫)が13秒09(+1.6)で優勝。昨年のU18大会で高校2年生だった木梨光菜(倉敷中央高・岡山)がマークした13秒26のU18日本記録を一気に0.17秒更新する衝撃的なタイムで頂点に立った。 活況を呈する日本ハードル界にまたひとりキラリと光る新星が誕生した。これまでのU16大会の大会記録は13秒59、中学記録は13秒54で、それらを大幅に更新したばかりか、13秒09は2学年上までの世代を含むU18の今季世界リストでも2位に食い込む好記録。ハードルの高さが一般規格(83.8cm)より7.6cm低い高さとはいえ、ハードル間は同じ8.5m。ワールドクラスのビッグレコードに「U16の大会記録が更新できればと思っていたので言葉も出ません」と福田自身も目を丸くした。 中学規格(ハードルの高さ76.2cm、ハードル間が8.0m)で行われた、8月の全中では1学年下の今村好花(大宰府東中2福岡)に敗れ2位。前回のU16大会は会場入りしながら40度の高熱が出て棄権していただけに、「前回と全中のリベンジができて本当にうれしい」と満面の笑みを浮かべる。 午前中の予選では3.0mの追い風を受け、いきなり13秒13をマーク。条件が異なるものの、シニア世代のトップ級を思わせるタイム。秋を感じさせる爽やかな風を背に158cmの身体が華麗に駆け抜けた。 「予選の前まではあまり調子が良くないと感じていたので不安もありました」と打ち明けるが、「大会前にサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)選手の講習会に参加し、そこで自分が主役のレースを作ることが大切ということを教わりました。他の選手や周りを気にするのではなく、自分の走りを意識することで緊張などもなく集中して臨めたのが良かったです」と快記録の要因を口にする。 100mでも11秒97と11秒台のベストを持つ。「夏まではハードリングで腰が落ちてしまうのが課題でしたが、やや横振りになっていた腕振りをまっすぐに振るように意識することで、前半からロスなくスムーズに跳べるようになりました」とフォームを修正してきた。全中では出遅れた反省を踏まえ、1台目の入りからライバルを圧倒。最後まで軸がブレないキレ味鋭いハードリングを見せつけ、初の全国タイトルを勝ち取った。 また、全中に続くタイトルは逃したものの今村も13秒31の好タイムで2位と健闘。「全中の時のようにスタートから飛び出すことができず、自分のリズムで行けませんでした。タイムは良かったですが優勝が目標だったので悔しいです」と唇を噛む。しかし、まだ中学2年生の今村。「来年は今回、福田さんが作った記録を更新して優勝したいです」と、雪辱を誓った。
花木 雫/月刊陸上競技