「最近、疲れやすい」「イライラが止まらない」つらい更年期の症状…まずは見直したい“生活習慣”って?
【生活習慣のキホン】自律神経ケア
<副交感神経の働きは加齢によっても低下します> 更年期の不調の多くが、自律神経の働きの乱れから起こります。急に汗をかいたり、動悸がしたり、うまく眠れなくなる……こうした症状は、心身を活動的にする交感神経が強く働きすぎ、心身をリラックスモードにする副交感神経の働きが弱すぎるというアンバランスさから生じます。 自律神経の交感神経と副交感神経は、どちらもしっかり働いていて、活動的なときは交感神経がやや優位に、リラックスしているときは副交感神経がやや優位になるのが健康な状態です。ただ、副交感神経がうまく働けなくなってしまうのは、実は更年期に限った問題ではありません。女性も男性も、年齢とともに自律神経の働きは不活発になり、とくに副交感神経のほうが加齢の影響を大きく受けるといわれています。 たとえば、血管を拡張させる副交感神経の働きが加齢によって弱まり、収縮させる交感神経が強く働くと、血管が収縮しすぎて血流が悪くなります。また、ほかの臓器と違い胃腸は副交感神経活動が優位なときによく働くため、胃腸の働きがにぶるのも、加齢による副交感神経の働きの低下が関係していると考えられます。そして、年齢を重ねることでリラックスしにくくなります。 次回は、自律神経を整える生活習慣や“プレ更年期”の正体について解説します。
〈著者プロフィール〉高尾美穂(たかお・みほ)
医学博士・産婦人科専門医。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。ヨガ指導者。女性のための統合ヘルスクリニック「イーク表参道」副院長。 東京慈恵会医科大学大学院修了後、東京慈恵会医科大学病院産婦人科助教、東京労災病院女性総合外来などを経て現職。音声配信プラットフォームstand.fmでは「高尾美穂からのリアルボイス」をほぼ毎日配信し、リスナーの多様な悩みに答え、楽に生きられる考え方を届けている。
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