映画「オオムタアツシの青春」 プロモーション資金の支援募る/福岡県大牟田市
福岡県大牟田市を舞台に製作し、2025年秋に公開予定の映画「オオムタアツシの青春」。編集作業が佳境を迎える中、プロモーションに充てる資金を確保したいと、製作委員会がクラウドファンディング(CF)を企画し、1月末まで支援を募っています。寄付した人には、映画のエンドロールに名前を残せる返礼品などを用意しています。 【写真】舞台となった大牟田市の風景
どん底からの、再生の物語
作品は、友人に裏切られた女性、過去を隠して大牟田にやって来た青年、訳あって車上生活をする初老の元政治家の3人が主人公。挫折を味わった3人が、難病を患う少女との出会いから、勇気をもらってそれぞれの人生をやり直すストーリーです。 大牟田市動物園を題材にした「いのちスケッチ」(2019年公開)でメガホンを握った瀬木直貴さんが、今回も監督を務めます。前作に続く市内ロケ第2弾で、地域キャストのオーディションを行ったり、住民エキストラを募ったり、地元の人たちも参加しながら撮影が進みました。
三池炭鉱で栄えた大牟田市には、昭和の風情が色濃く漂うまち並みが残ります。一日の仕事を終えた炭鉱マンが甘い菓子を好んで食べたことなどから、市内には洋菓子店が多く、主人公の一人が洋菓子店開業を目指すなど、大牟田らしいグルメも作中に登場します。 ロケは2024年7月27日にクランクインし、「おおむた大蛇山まつり」や商店街、旧三池海水浴場、おおむたアリーナなどで8月19日まで撮影が行われました。
みんなで映画を盛り上げて
映画は秋の劇場公開に向け、編集や音楽製作が進められています。今後、全国的にPRを展開していく予定ですが、予算が限られているため、舞台あいさつに立つ出演者の交通費などプロモーションに必要な費用を十分に確保できないといいます。そこで目標を100万円に設定し、24年12月10日からCFサイト「CAMPFIRE」で支援の呼びかけを始めました。 寄付は3000円~10万円の7コースが用意されています。返礼品の中には、5万円以上の寄付でエンドロールのクレジットに名前が載せられる権利が得られるものもあります。名前は本名でなくても、ペンネームやニックネームなど10文字まで記載できます。
このほか寄付金額に応じ、大牟田の特産品、制作陣おそろいのスタッフTシャツ、トートバッグやステッカーなどの公式グッズ、映画にも出てくる焼き菓子の詰め合わせのほか、瀬木監督が案内する"聖地ツアー"といった特典が加わります。 瀬木監督は「映画は、前作で描き切れなかったこのまちの独自の世界を、個人的には完全燃焼するつもりで、過酷な真夏の撮影に臨みました」とコメントし、「この機会にぜひ一緒に映画を盛り上げて」と呼びかけています。
読売新聞