脳の病気が原因で起きている可能性も 注意したい犬の症状4選
進行すると命にかかわるものもある、犬の脳の病気。早期発見・早期治療のためにも、飼い主さんはまず犬の脳の病気の少々を知ることが大切です。今回は、脳の病気が疑われる犬の4つの症状について、獣医師の松永悟先生に伺いました。 【写真】振り返りこちらを見つめるジャック・ラッセル・テリア
発作が起きる
脳の病気が原因で急激にあらわれる症状に、発作があります。発作は大脳に異常があるときに起こり、突然意識を失うように倒れ、4本の足を突っ張らせたり、全身をけいれんさせたりします。なかには、ウンチをもらしたり、失禁したりすることも。 発作が起きる場合、多くはてんかんが疑われ、ほかに水頭症や脳炎、脳梗塞、脳腫瘍などの病気も疑われます。通常であれば、発作は数十秒から数分程度でおさまります。発作中は、飼い主さんは犬の安全だけを確保するようにし、声をかけたり触れたりしないようにしましょう。
体の一部分だけで起きる、わかりにくい発作もある
「全般性発作」という全身にあらわれる発作に対し、体の一部分のみに起きる「焦点性発作」があります。異常が大脳の一部にとどまっているときは、顔面をピクピクさせる、倒れはしないまでも動けないなど、発作の症状も部分的です。
平衡感覚が悪くなる
脳幹や小脳の異常により起きる症状が、平衡感覚が悪くなるというもの。左右のいずれかに頭や体が傾き、立つことができない、眼球が異常に動く、歩行がうまくできないなどの症状が出ます。一方向にだけグルグル回るように歩き、そのまま転んでしまうようなことも。脳幹や小脳のほか、耳の奥にある内耳に問題があるときも同様の症状が起きます。 犬の平衡感覚が悪くなるときは、脳炎や脳梗塞、脳腫瘍、前庭疾患などの脳の病気が疑われます。
異常行動が見られる
大脳の異常によって、犬の行動と知性に変化があらわれます。たとえば、特定のおもちゃだけに異常な執着を見せるようになったり、ゴハンの場所が突然わからなくなるなど、理解していたことが急にわからなくなったりすることも。ときには、飼い主さんのことがわからなくなることもあります。 そのほかにも、実際には存在しないものへ反応するなど、異常行動のパターンはさまざま。愛犬に今までと変わったことがあったら要注意です。なお、愛犬に異常行動が見られる場合は、水頭症、脳炎、脳腫瘍といった病気が疑われます。