これがロータリーの未来 マツダのスポーツカーICONIC-SPに搭載される!? 2ローターロータリー エンジン
ROTARY-EV SYSTEM CONCEPT(1 ROTOR)」
1ローターにトヨタハイブリッドを組み合わせる 1 ROTERはボンネットフードのラインと車輪が描かれた透明ケースに収まった状態で展示されていた。車輪の向こうにカットされたローターハウジングが見えており、横置きレイアウトであることを示している。 1ローターの電動化ユニットなら、MX-30ロータリーEVが搭載するe-SKYACTIV R-EVがある。それとは違うユニットであることは一目瞭然だ。e-SKYACTIV R-EVは車載状態で右側から駆動用モーター、発電用モーター(ジェネレーター)、8C型ロータリーエンジンの順に並んでいる。 ROTARY-EV SYSTEM CONCEPT(1 ROTOR)は車載右側に8C型エンジンがあり、その左側に電動トランスミッションがレイアウトされている。見たところ、左右方向の寸法はe-SKYACTIV R-EVより短そうだ。 コンパクトな電動トランスミッションの中身は、THS(トヨタハイブリッドシステム)である。駆動用モーターと発電用モーターに動力分割機構を組み合わせた、シリーズパラレル方式のハイブリッドシステムということになる。e-SKYACTIV R-EVはエンジンで発電した電力で駆動用モーターを動かすシリーズ方式なので、ロータリーエンジンは直接車軸につながっておらず、常にモーターで走る。 いっぽう、ROTARY-EV SYSTEM CONCEPT(1 ROTOR)は、エンジンの動力が直接タイヤに伝わる構造になっており(と、想像できる)、そこがe-SKYACTIV R-EVとは決定的に異なる。補強リブが入ったケースを見ると、上側に発電用モーターと動力分割機構、下側に駆動用モーターを配置した構成と想像できる。
「ROTARY-EV SYSTEM CONCEPT(2 ROTOR)」
ICONIC SPのエンジンはこれになるはず ROTARY-EV SYSTEM CONCEPT(2 ROTOR)は、2本のタイヤに挟まれた状態で展示されていた。その様子から、縦置きレイアウトであることが見てとれる。パワーユニット全体がコンパクトなのもさることながら、タイヤがあることで、極めて低い位置に収まっていることも見てとれる。 極低ハイトの理由はドライサンプ潤滑方式にある。エンジンの下部にオイル溜まり(1 ROTORの黒い部分。e-SKYACTIV R-EVでも確認できる)を設けず、オイルをポンプで強制的に回収するシステムを採用することで、低い搭載位置を実現している。レーシングカーや市販スーパースポーツカーが採用する方式だ。 つまり、2 ROTORはスポーツカーへの搭載を視野に入れたコンセプトと読み取ることが可能。となると、2023年のジャパンモビリティショーで展示されたコンパクトスポーツカーコンセプトのアイコニックSPに搭載されるパワーユニットかと想像したくなるが……。 コンポーネントの配置は、前から8C、8C、発電用モーター(ジェネレーター)の順だ。左側面にウォーターポンプとオイルポンプ、それにオイルタンクが見える。駆動用モーターはどこに置かれることになるのか、プロペラシャフトは付くのかなど、いろいろ気になるが、次のアナウンスがあるまで想像をふくらませておくことにしよう。
世良耕太