高校生ブルース・バンド“Wine Headed Woman”、1975年の希少ライヴ音源が配信リリース
岡地曙裕(BO GUMBOS~吾妻光良& The Swinging Boppers)やブルースハープのパイオニア、武田信輝らによる高校生ブルース・バンド“Wine Headed Woman”(ワイン・ヘッデド・ウーマン)の1975年の希少ライヴ音源が、『LIVE 1975』としてSpotify / Apple Music限定で配信リリースされています。 1975年、わずか半年ほどの活動期間に、上田正樹&サウス・トゥ・サウス、妹尾隆一郎らのフロントアクトなどを務めた高校生ブルース・バンド“Wine Headed Woman”。妹尾隆一郎のハープ教室一期生だったリーダー / ヴォーカル&ハープの武田信輝、その後サックスに転向しながら80年代に早逝したギターの橋本一郎、後にローラーコースター、チャクラ、立花ハジメ、友部正人らとの活動を経て音楽プロデューサーに転身するベースの永田純、後にブレイクダウンに加入、BO GUMBOSを経て、現在は吾妻光良& The Swinging Boppers、ペンペンドンピーで活躍するドラマーの岡地明(現・曙裕)からなる4人組。 バンド名はシカゴの裏役的存在のドラマー、W.W.ウィリアムスのソロ・アルバム収録曲名に由来。東京・下北沢を拠点に、16、17、18、19歳の4人組がリトル・ウォルター、サニー・ボーイ・ウィリアムソンIIらの代表的レパートリーを中心に、エディ・テイラーやスヌーキー・プライヤーまでを含む通好みの選曲で王道のシカゴ・ブルースを演奏し、1975年春から冬にかけて活発に活動していました。 本アルバムは1975年秋、東京・目黒区民センターにて録音されたライヴ音源。折りしも、1975年は、日本はブルース(もしくはブラックミュージック)ブームと言われた年。前年1974年に開催された第1回ブルース・フェスティヴァルや郡山ワン・ステップ・フェスティヴァルなどの流れを受けて、ウエスト・ロード・ブルース・バンド、上田正樹、憂歌団、サンハウスらが一気にレコード・デビューし、翌76年のソー・バッド・レビューらに続いていきます。一方で、74年に荻窪ロフト、75年に高円寺JIROKICHIなどのライヴハウスもこの時期に開店。J-POP黎明期、ルーツ・ミュージックに根ざしたあるジャンルが確実に築かれた時期だったと言えます。そんな流れの中、このアルバムは、上記の第1世代からの直接の影響を受けながら、すでに第2世代が育ちつつあった証左としても聴くことができます。