「ノーマスクで飛行機乗れます」JALは了承していたはずなのに、なぜ強制的に降ろされた? 納得いかない弁護士「この3年の異常な『空気』を今こそ考えてほしい」
桜井さんは、このガイドラインの正当性には疑問があると指摘する。「この基準は国土交通大臣の認可を受けておらず、運送約款の内容にもならない」 (※ガイドラインはその後、「3月10日、協会より航空分野におけるガイドラインの改訂が発表され、JALもマスク着脱を個人の判断に委ねる新しい方針を開始しております」となった) ▽恐ろしい「空気」とは 桜井さんは以前、東京・恵比寿の高級ホテルでもノーマスクを理由に宿泊拒否されたとして、ホテルを訴えている。https://www.47news.jp/8763507.html 記事になった際、ニュースプラットフォームのコメント欄やSNS上で、「ルールなんだから従え」「マスクくらいしろ」といった批判的なコメントが多数寄せられた。 今回のJALの対応の根底にも同様の「空気」があるとみている。「繰り返しになるが、マスク着用は日本では『推奨』に過ぎず、『義務』ではない。強制的に守るべきルールでも何でもないし、着用しない権利もある。多数派による人権侵害が当たり前の空気のように存在し、JALを含め、多くの企業やお店が推奨という言葉を『お願い』という名の事実上の『強制』へと変化させている」
弁護士として桜井さんがあえて提訴に踏み切る背景にはこうした不安があるという。多数派がある「空気」を生み出すと、根拠が明確でないだけに反論が難しい。疑問を感じても、やがて主体性を奪われ、自由な考えを妨げられる。「数年後、数十年後、『あのときの空気ではそうせざるを得なかった』と言うのだろうか。この3年間の異常な光景を、今こそ振り返るべきだ」