「ノーマスクで飛行機乗れます」JALは了承していたはずなのに、なぜ強制的に降ろされた? 納得いかない弁護士「この3年の異常な『空気』を今こそ考えてほしい」
桜井さんは念のため「健康なのでマスクは着けないだけです」「マスクを着けることはありませんので、私の意思に反して干渉してこないよう周知をお願いします」と送信。最終的にJAL側は、予約記録に登録したことを再度記し、「機内では会話をお控えいただくとともに、せき・くしゃみ時には口・鼻をハンカチなどで覆っていただきますようお願いいたします」と回答した。 双方のメールを読む限り、ノーマスクでの搭乗に関する合意が成立していたように思える。なぜトラブルになったのだろうか。 ▽「お降りいただくことが決定いたしました」 訴状や桜井さんがCAとのやりとりを録音したデータを基に、経過を追ってみる。 往路では、空港でも機内でもマスクに関する指摘は一切なかった。桜井さんは安心して屋久島観光を楽しんだが、異変は復路で起こった。 2022年11月25日、屋久島空港を午後2時35分に出発予定の伊丹行き日本エアコミューター機(日本エアコミューターはJALの子会社)に乗り込み着席後、一人の客室乗務員(CA)が声を掛けてきた。
「お客さま、マスクはお持ちでないでしょうか」 驚き、言葉に詰まった桜井さんに、CAは質問を重ねる。 「マスクを着けられない理由はございますでしょうか」 桜井さんは「やめてもらえますか。マスクは着けないので」と返答したが、CAは譲らない。「他にお客さまがいますので」 このため桜井さんは、事前にマスクを着けないとのメールをJALに送り、許可を得たこと、行きの便では何も言われなかったことを説明した。 それでもこのCAは「正当な理由を確認できていない」「JALグループの方針で確認させてもらっている」などと繰り返した。 しばらくやりとりした後、CAは「確認させていただきます」と言い残して姿を消した。少しして再び現れたが、お互いの話はやはりかみ合わない。これが4回繰り返された後、CAは桜井さんにこう告げた。 「確認が取れない、正当な理由がないということでございますので、機長ならびに屋久島空港所長の判断で、お客さまにはお降りいただくことが決定いたしました」