米新政権のウクライナ政策は不明、孤立主義は機能せず=次期EU外相
[ブリュッセル 12日 ロイター] - 欧州連合(EU)のカラス次期外交安全保障上級代表(外相)は12日、トランプ次期米大統領がウクライナを巡りどのような行動を取るかはまだ誰にも分からないとした上で、米国の孤立主義に警鐘を発した。 カラス氏は「歴史を振り返れば、孤立主義が米国にとって機能したことは決してない」と強調した。さらに、中国の支援がなければロシアはこれほど強力に戦争を遂行することはできないだろうとし、「米国が中国について懸念するなら、まずロシアを懸念視すべき」と述べた。 ロシアのウクライナ侵攻に加え、米国による欧州の安全保障に対する支援を巡る不確実性を受け、欧州の防衛強化に向けた圧力が高まっていることを踏まえ、カラス氏は「防衛力や弾薬生産の増強など、さらにやるべきことがあるのは明らかだ」とし、防衛力強化に向けた取り組みを強く支持する姿勢を強調した。 同時に、EUが武器生産の増強などで支援しつつも、北大西洋条約機構(NATO)が欧州防衛に関し主導的な役割を維持する必要があるとし、「EUに別の軍事力が必要とは思わない」と語った。