歴史的な遺物発見か思たわ!? 画像検索してみたら「地雷」って出たけど…何これ?
このあいだ、とある山でハイキングをしていたところ、落ち葉が堆積している山の斜面のところで“なにか”がチラッと見えたんです。 【写真】何か知ってる? 山で見つけた『地雷』みたいな物体の正体 「なんやろ?」と思い、手で落ち葉をそろ~っと払ってみると、出てきたのは金属のような光沢感のある丸くて黒い物体でした。 立体的な二重丸になっているその物体の真ん中には、突起物が。周辺には古い歴史のあるお寺や神社があるため、「これ、もしかしたら“神獣鏡”のような歴史遺物ちゃうか!?」とロマンを感じてワクワクしていたところ、同行者が急に「危ない! 触るな!」と叫ぶんです。 その物体を写真に撮って画像検索をして出てきたのは、なんと、「地雷」。「そんなわけないやん」と思いながらも、ワクワクしていた気持ちが急に恐る恐るになって辺りを見回してみると、ところどころにこの物体があるんです。 「一体なんやこれ?」と山の関係者に尋ねてみますと、この辺りは山の斜面の土砂崩れを防ぐ補強工事「地山補強土工(じやまほきょうどこう)」を行ったそうです。 従来、斜面の崩壊対策として一般的に行われてきたのはコンクリートで斜面を固める工法。この方法は優れた強度を持つものの樹木を切る必要があるため、自然を破壊し美観を損ねるという大きな欠点があります。 そのためこの場所では、自然を損なわないように、斜面の形に合わせて細く強い網目のユニットネットを辺り一面に張り、それと補強材(ロックボルト)を支圧板に連結させて斜面の安定化を図る「ユニットネット工法」で工事を行ったとのことでした。 ユニットネット工法で完工したあとですから、見た目には「工事をしました」というふうにはまったく見えず、普通の山の斜面にしか見えないんです。 斜面一面にはユニットネットが張り巡らされていますが、そのうえに自然に草が生え、落ち葉が堆積します。その隙間から金属物体(支圧板)がひょっこり顔を出している様を見て、「うわあ! なんやこれ!?」とワクワク恐る恐ると自分勝手に妄想をして心を動かしまくって騒いでいただけやったんです。 つまり、歴史的な遺物でもなんでもない、もちろん地雷のように辺りを破壊するものでもなく、むしろ、山の斜面や自然の景観をしっかり守る。それが、地山補強土工のユニットネット工法だったんです。 ※ラジオ関西『バズろぅ!』2024年12月21日放送回より (『バズろぅ!』ラジオパーソライター・わきたかし)
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