月ごとに振り返る 日本の鉄道2014年(鉄道ライター・伊原薫)
つい先日明けたと思った2014年も、気がつけば残りわずか。今年も全国の鉄道で様々な動きが見られました。新しくデビューした車両、廃止された路線・・・ここで、2014年に鉄道業界で起こった出来事を、月ごとに振り返ってみましょう。 【写真特集】2014年鉄道振り返り ──阪急・阪神・近鉄・山陽の車両が顔合わせなど
蓄電池電車EV-E301系が登場、「あけぼの」定期運用終了
■1月:蓄電池電車EV-E301系が登場 JR東日本の蓄電池電車、EV-E301系がメーカーの総合車両製作所で完成し、試運転が始まりました。「ACCUM(アキュム)」と名付けられたこの電車、電化区間では架線の電気で走行するとともに蓄電池へ充電、非電化区間ではパンタグラフを下ろして蓄電池の電力でモーターを回す仕組みで、騒音が小さく環境へもやさしい車両となっています。3月からは専用設備の整備された烏山線で日本初の営業運転が開始され、乗客からは好評を得ていました。将来的には全車両が置き換えられる予定で、鉄道車両の新たな一歩として注目されています。 ■2月:北陸新幹線用E7系デビュー間近 来年3月に金沢まで開業する北陸新幹線用として、JR東日本とJR西日本が共同開発した新型新幹線電車・E7系。長野新幹線区間での先行デビューに向けて、2月に試乗会が行われました。グランクラスのデッキをはじめ、各所に「和」を表現したデザインが盛り込まれているほか、普通車も含め全席に電源コンセントを用意するなど、より快適な空間となりました。現在は「あさま」で乗車することができ、来春の開業からはいよいよグランクラスでのシートサービスも始まります。 ■3月:寝台特急「あけぼの」定期運用終了 3月のJRダイヤ改正で、上野~青森間を走る寝台特急「あけぼの」の定期運用が終了。新潟県・秋田県を経由し、特に沿線の各都市からは東京へのアクセス手段として、最後まで高い利用率を誇っていましたが、車両の老朽化などを理由に定期運用が終了となりました(多客期には臨時列車として、1年に何回か運転することがあります)。かつて日本全国を走っていた寝台特急も、「あけぼの」を最後にいわゆる豪華寝台列車のみとなり、その代表格である「トワイライトエクスプレス」や「北斗星」も引退が発表されています。多くの人々の思い出を乗せて走った「ブルートレイン」も、間もなく過去のものになろうとしています。