勝みなみが地元・鹿児島に“恩返し” 自ら立案のジュニアイベントを初開催「私も勉強になりました」
現在、米国女子ツアーを主戦場にする勝みなみが、地元に戻り“恩返し”だ。ジュニアゴルファーが参加するイベントを27日に開催。自身も生まれ育った鹿児島県にある“ホームコース”鹿児島高牧カントリークラブで、レッスンやトークショーを行った。 【写真】こんな小さい子も頑張ってました! 参加したのは新聞広告などを見て応募し、抽選をくぐり抜けた小学生から高校生までの29名の子どもたち。“3部制”ともいえる構成の3時間を満喫した。まずはショット練習場で自らボールを打ちながら、その合間に“みなみ流練習法”や、参加者からの質問に答えていく時間に。「ゴルフは70%がメンタルのスポーツ。自信を持って打てるように」と、いいショットが出たらそのクラブの練習を切り上げるなど、普段、意識していることを伝えていった。 さらに続いて行われた子どもたちとの対決では、“プロの妙技”も見せつけた。ピンまで20ヤードの位置からアプローチを打ってのニアピン勝負。勝よりも近くに寄せた参加者が勝利というルールのなか、90センチと絶妙な寄せを披露した。これには「私ってプレッシャーに強いじゃん!」とご満悦。それでも3人がさらに内側につけるなど、大盛り上がりの時間になった。 勝利者のうち2人は、小学5年生の谷口絢飛(けんと)くんと、小学2年生の谷口結華ちゃんの、なんと“きょうだい”。妹の結華ちゃんは、「すごくうれしいです。さっき教わったので、(クラブを)すくわないように気をつけました」と、さっそくレッスンの効果を発揮し、その小さな体で大きな勝利を手繰り寄せていた。 最後はクラブハウス内に場所を移してトークショーも開催。ここでは、序盤に日・米ツアーの違いなどを話し、その後は勝が子どもたちからの質問に答える形式で進んでいった。『なかなかうまくならず、ゴルフが楽しくないのですが、どうしたら楽しく感じられますか?』、『試合中うまくいかない時はどう気持ちを保っていますか?』。こういった質問のひとつひとつに、頭を悩ませながら、飾らない言葉で誠実に答える姿が印象的だった。 たっぷりと、地元キッズたちとの時間を堪能できた年末。イベント後の取材では、「ひとりひとりがゴルフと真剣に向き合っていて、私にとっても勉強になりました。キャリアを重ねるうちに擦り減っていくものを思い出し、新しい気持ちを感じられました」と、その感想を話した。勝にとって鹿児島は、「初心にかえれる場所はここしかない。“勝みなみ”ではなく“みなみ”でいられる時間。一番安心する」と表現する場所。まさに“あの頃の自分”を思い出したようだ。 これまでもジュニアレッスン会自体には参加したことはもちろんあるが、今回は初めて自ら立案し実現させたイベントとあって、より思い入れが深まる時間に。「質問に答えている時に、私もこんなにいろいろ考えながらやってるんだってことに気づけました」と明るく話しもしたが、「ジュニア時代は大人になると取り返せないもの。今の瞬間を大事にしてください」など想いを語った時の表情は、真剣そのものだった。 年明けからはオフも本格化。来年2月6日から始まるシーズン第2戦「ファウンダーズカップ」(フロリダ州)での自身開幕を目指し、調整を重ねていく。そこに向けても、この日のイベントは「アメリカで活躍して、きょう会った子どもたちに夢や笑顔を届けたい。鹿児島のジュニアに貢献したいですね」と、いい刺激になった様子。「いろいろなところで開催して、少しずつ規模も大きくしていきたいですね」。来年以降のイベント継続にも思いも馳せている。(文・間宮輝憲)