【BCクラシック・現地発】川田将雅がウシュバテソーロ追い切り後に語った熱い思い/一問一答
【デルマー(米国)30日=松田直樹】「またこうしてデルマーで…」-。ウシュバテソーロ(牡7、高木)が30日、BCクラシックへ向けた最終追い切りをデルマー競馬場のダートコースで行い、川田将雅騎手(39)を背に5ハロン65秒8の時計をマークした。最後まで力強く走り切った追い切り後、3年前のデルマー開催で勝利を挙げている主戦ジョッキーは熱い思いを語った。調教後の同騎手の一問一答は以下の通り。 ◇ ◇ ◇ -追い切りを終えて まずなにより無事に終わったことが一番ですね。こっちに来てからも毎日のように話題を提供するくらいですから、無事に終わったことが一番です。 -高木師はここにきて「前向きさが出た」と話していた 今日に関しては、機嫌が良かったです。ここ数日はいろんなことがあったので。それを加味しながら、彼が前向きに走れるように環境、調教をつくって今日の追い切りをやるということで、彼にとってプラスに働いてくれて、ちゃんと追い切ることができました。 -追い切り後にはガッツポーズをしたと聞く 冗談ですけどね。馬場を出た後に、全部終わってから、ガッツポーズをしました。この馬がちゃんと日々を重ねていくことが、どれほど大変か。面白おかしく切り取られる部分はあるとは思いますけど、関わる人たちは日々真剣に、大変な思いをしながら、この異国の地で調整を続けています。彼自身もそうです。前向きに追い切りを終えてくれて、みんなホッとして、大きな仕事をひとつ終えた気分です。 -昨年のサンタアニタパーク競馬場は調教での難しさがあった 難しいというより、(馬がコースを)覚えてしまうんですね。(サンタアニタは)4コーナーと直線に出口が2カ所あるわけですから、彼がそこで帰ろうとしてしまう、走る気をなくしてしまうきっかけにつながる。ドバイやサウジもそうなんですけど、デルマーも2コーナーの引き込み線から、馬場に入っていき、周回コースに入れば、出入り口はないですから。周回コースを走っている最中に帰り道はないので、まだ集中ができる。そういうところが彼にとって、サンタアニタよりデルマーの方が合う。調教過程でいらないことを覚えてしまう分、覚えずにすむデルマーの方が集中して走れるだろう、と。サンタアニタは完全に気持ちが切れました。なにせ出口がそこにあるから。レース中も、もうやめたいとなった。そういう難しさはこの馬は賢い分、頭がいい分、余計にそういう風になってしまいました。 -使って状態を上げる馬 このクラスの馬は無事にくることが一番ですし、もちろんここが本番です。日テレ盃に関しては無事にアメリカに連れていくための調整というところもありましたので、使ったことで良くなってアメリカで勝負にいく、と。良くなるのは当然といえば、当然。それを計算しての調整です。 -自身はデルマー競馬場開催の21年にラヴズオンリーユーとBCフィリー&メアターフを勝利。注目度の高さは感じているか 僕に注目が、というよりも日本馬が今回これだけ来ているので。19頭来ていますから。ラヴズが勝ってくれたことで、ブリーダーズCというものも日本馬にとって急激に身近なレースになりました。これだけいろんなカテゴリーがあるからこそ、2日間で2歳馬も古馬も含めてこれだけのレースをいっぺんにやるからこそ、たくさんの馬がエントリーして、ここに来てみんなで過ごして、おのおののカテゴリで戦うということができるのだと思います。それも西海岸だからこそですけどね。日本からの輸送も東海岸から比べると、圧倒的にやりやすいので。それでも時間はかかるし、遠いですけど、西海岸だからまだできると思います。またこうしてデルマーで、日本馬が活躍できたらいいと思います。