隠れた銘菓を発見!「温泉地の名スイーツ」ヤマザキマリさんなど温泉賢者の“推しみやげ”3選
温泉地の楽しみのひとつが、その地ならではの甘いもの。今回ご協力いただいた温泉賢者の皆さまに、旅先で出合った忘れ得ぬおいしさの甘味みやげを教えてもらいました。
【北海道】「五勝手屋本舗」の 丸缶羊羹|ヤマザキマリさん(漫画家・文筆家・画家)おすすめ
■包丁を使わず食べられる「糸式羊羹」の最古参 ヤマザキさんの大好物で、たびたびお取り寄せしているというのがこちらの羊羹。蓋を外し、食べたい分だけ押し出し、筒に付いている糸をぐるっと一周させてカットするユニークな形状。長さ12センチのコンパクトさで“携帯菓子”としても重宝しそう。1870年の創業以来、羊羹には小豆ではなく、主張しすぎない金時豆を使用しているのが店のこだわり。 丸缶羊羹 1,080円(3本) 【五勝手屋本舗】 北海道檜山郡江差町本町38
【秋田】「菓子舗 榮太楼」のさなづら|石川愛里さん(「一休」メディア事業部長)おすすめ
■甘酸っぱさがやみつきになる秋田を代表する銘菓 「さなづら」の名は、山野に自生する山ぶどうの一種の方言から。風味豊かで滋味深い山ぶどうを濃縮ジュースにし、天然の寒天でゼリー状に固めたお菓子。「甘酸っぱく濃厚で、ワインのような深い味わい。まさに大人のお土産といった雰囲気です」(石川さん)。ヨーグルトに添えたりバターを塗って焼いたトーストにのせたり、多様なアレンジでも楽しめる。 さなづら 1,740円(12枚入り) 【菓子舗 榮太楼】 秋田県秋田市高陽幸町9-11
【長崎】「遠江屋(とおとうみや)本舗」の純一枚手焼き湯せんぺい|坪田三千代さん(トラベルライター)おすすめ
■口に入れた途端、舌先で溶けてしまう軽やかさ 小麦粉、砂糖、卵に重曹を加え、温泉水で練り上げたほんのり甘くサクッと香ばしいウエハースのようなお菓子。明治初期、お殿様に献上する菓子として製造されたのが起源とか。「金型で一枚一枚焼き上げられています。昔ながらの素朴な温泉みやげが好き」(坪田さん)。パッケージにあしらわれているのは、昭和2年に描かれたという島原半島の鳥瞰図。 純一枚手焼き湯せんぺい 1,000円(10枚入り) 【遠江屋本舗】 長崎県雲仙市小浜町雲仙317 撮影=sono(mame) 編集・文=石黒三惠(婦人画報編集部) 『婦人画報』2024年1月号