東大生レーシングドライバー「新原光太郎選手」の秘密に迫る
── では、今年こそHRSでスカラシップを獲るとことに目標を置いているのですね。
新原:はい、そうです。今、一番の目標としては、HONDAのスカラシップを獲って、ワークス系のチームの中にどんどん入っていくことです。そのためにF4でも成績を残さないと上には上がれないので、大事なことが両方に分かれてるかなと思います。
── レースは週末、一方でHRSは平日に開催。大学の授業に影響はないのですか? どう対処しているのでしょうか?
新原:HONDAのスクールが毎回平日にあるんです。また、レースウィークも水曜移動で木、金……となるので、ほんと平日にレースが被ることが多くて、単位の出席日数も結構危ないものがあったりしたんですけども、今のところは、出席日数でひとつかふたつ落とした程度で済んでるので、それを受け直しているという形です。試験前に結構詰め込んで、どうにか帳尻を合わせてる感じはありますね。試験でどうにかなるものだったらいいんですけど、出席日数がある授業だと、僕だけではどうしようもないことなので……。
── 教授に直談判、みたいなのでもダメですか?
新原:毎回、学期が始まるごとに、初めに教授全員にメールを送るところから始まります。了承を得られる先生と得られない先生がいるので、得られない先生の授業は、もう単位がダメ(取れない)という感じです。こういうレースに参戦してがんばっている、という資料を作ってお願いはしてみるんですけども、それでダメな時はもう諦めてますね(苦笑)。
── 今、“学業とスポーツ”のように、やりたいことを両立させて挑戦してる人が増えています。一方、これからそういうことをやりたいと考えてる人たちもいると思うのですが、新原選手からそういう人たちに向けて、何かメッセージとして伝えられることはありますか?
新原:僕は、“メインはレース”と思ってずっと生きてきました。そのなかで、勉強は自分のできる範囲でがんばった結果なので、やっぱり自分のしたいことを第一に優先にするのが一番大事なんじゃないかなと思います。勉強の方もできる範囲でががんばって、運良く合格はできましたが、まず、レースを第一に本当に力を入れてがんばって、残りの力は勉強に割くという形でした。やっぱりレースに時間をうまう割けていないと後で後悔すると思っていたので。なので、そういう人たち(両立を目指す人たち)には、まずスポーツをやりたいのなら、そちらを第一にがんばってほしいなと思います。