ゆがみに自動追従し段取り30%削減、スギノマシンのレーザー溶接ロボットシステム
アクティブトラッキングにより外段取り作業を大幅に効率化
今回のファイバーレーザー溶接ロボットシステムの開発には、板金製造業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)を積極的に推進する板金メーカーのフジムラ製作所がアドバイザーとして協力し、その後1号機の導入を決めている。 その背景について、フジムラ製作所 代表取締役社長の藤村智広氏は「溶接工程は自動化の一番の課題となっていた。特にファイバーレーザー溶接は、線形が細く精度が求められるためにゆがみなどの影響も大きく、自動化が難しかった。従来は自動化のためには、ゆがみの影響を抑えるために、外段取りにより治具で固めていたが、ファイバーレーザー溶接ロボットシステムを活用することで、その外段取りの手間や時間が大幅に削減できる。溶接ロボットシステム全体で30%の生産性改善につながることを期待している」と語っている。
3年間で50台の販売目標、データ活用やCAD連携などを強化
フジムラ製作所に導入されたファイバーレーザー溶接ロボットシステムは、水平軸を備えた壁掛けタイプCRbを採用しており、1mを超える長尺ワークにも対応している。また、壁掛けタイプのアームを採用しているために、設置面積も従来のロボットシステムに対して約4割の削減にもつながっているという。さらに、稼働状況や溶接データを生産性可視化ツールであるビーナスで収集し、そのデータを分析することで溶接品質向上や生産性向上につなげることもできる。 「今後はこれらのデータを活用した形での機能強化に力を入れていく方針だ」とスギノマシンの執行役員でRI事業部長の大西武夫氏は述べている。さらに、現在はクロロロスでは3D CADとの連携が基本となっているが「3D CADを使いこなせていない企業への支援や、機能強化なども今後は検討していく」(大西氏)としている。 ファイバーレーザー溶接ロボットシステムの販売価格は、機器から一連のソフトウェアまで含めて4000万~6000万円を想定している。「一連のロボットシステムを構築するシステムインテグレーション費用や、毎回調整するための費用などを考えると、コストパフォーマンスとしてハマる分野は多いと見ている」と杉野氏は語る。3年後までに50台の販売が目標だ。 また、今回のシステムは2025年1月22~24日に東京ビッグサイトで開催される「第9回 ロボデックス」に出展する予定だとしている。 ≫その他の「工作機械」の記事はこちら
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