底引き、厳しい初日 近江町、地物少なく割高
石川県内の鮮魚店やスーパーの店頭に5日、底引き網漁の初物が並んだ。石川沖でしけが続いたため、例年より3日遅れとなった。金沢市の近江町市場では、沖合にエチゼンクラゲが大量発生した影響などで地元産の入荷は例年の半分以下となり、甘エビは例年の2倍、メギスやカレイは2~3割高となった。 【写真】漁船からハタハタなどを水揚げする漁師=珠洲市蛸島漁港 近江町市場の大口水産では、大ぶりの甘エビが11匹1100円、メギスが5キロ5千円、アカガレイが1匹800円で売られた。金沢市太陽が丘3丁目の会社員石川典子さん(55)は「購入した甘エビやガスエビを刺し身で食べるのが待ち遠しい」と笑顔を見せた。 大口水産の荒木優専務は「地元産の取扱量は例年の半分以下で、他県産の海産物に頼らざるを得ない状態だ。輪島の漁業が再開しない限り、地元の海産物の取扱量はなかなか増えない」と見通しを語った。 5日未明に金沢市中央卸売市場で行われた底引きの初競りでは、入荷量が県外産を含めて初物17・9トンと昨年の22トンを下回った。競り人を務めた卸売業者「石川中央魚市」鮮魚部の櫻井純治部長は「地震以降、能登産の魚を見る機会が本当に減った。出荷されている魚を大事に販売したい」と語った。冒頭、村山卓市長があいさつした。