【異変】海外でブーム「抹茶」外国人から大人気、飛ぶように売れる陰で…老舗は「異常」京都で今何が?
■製造に手間ひま、茶畑の面積にも限り… 生産量を急激に増やすことは難しい現状
そもそも抹茶を作るのには、手間がかかります。 春頃に一斉に芽吹く新芽に覆いを掛け、日光を遮って旨味成分を葉に留めます。その後、摘採し、酸化酵素の作用を止めるために新鮮なうちに蒸します。 蒸した葉は碾茶炉と呼ばれる場所で乾燥させ、抹茶の原料になる碾茶になります。この碾茶を茶臼で挽き、粉状にしたものが「抹茶」です。 「中村藤吉本店」などの老舗では、1時間に40グラム程度しか作ることができないといいます。
さらに、葉を手摘みするなど昔ながらの製法を守っている生産者の平均年齢は65歳を超えています。また、茶畑の面積にも限りがあり、急激に増やすことはできません。 海外で売れているからといって、抹茶の生産量を急激に増やすことは難しいのです。 海外から熱い視線を注がれている「抹茶」。日本の伝統文化を世界の人に知ってもらいたいという気持ちの一方で、転売や供給量との板挟みになっています。生産者の葛藤は、今年も続きそうです。