ダイバーシティ、気候変動、環境問題 楽天が年1度東京開催「スーパーナイター」で観客に示したスポーツの意義
楽天が冠試合で取り組んだ2つの考え方
「楽天スーパーナイター」は訪れた観客やファンに野球の試合だけではなく、ダイバーシティ、気候変動、環境問題などといった社会性のあるテーマを意識づける場も用意している。それが、掲げる「スポーツとともに、もっといい未来へ。A BETTER FUTURE TOGETHER」だ。 言葉の通り「スポーツをきっかけに多くの良い未来を作っていくことを目的にした活動」(担当者)で、普段の生活でなかなか意識する機会がないことを、スポーツ、好きなチームや選手と紐付けることで目を向けさせていく。 「ダイバーシティ、公平性、インクルージョンを意識し、スポーツに関わる色々な場面において、誰もが自分らしく楽しめる環境を創り出す『Sports for Everyone』という考え方、気候変動対策や資源の好循環を実現して、これからもスポーツを楽しめる空間を目指す『Green for Future』という二つの考え方を元に取り組んでいます」(楽天担当者)
銀次さんが目隠しして2人乗り自転車を体験
今回用意されたのが、ペットボトルキャップ回収ボックス、2人乗りタンデム自転車を体験できるブース、自分の考える良い未来の世界とはどの様なものかを、アンケートと生成AIを組み合わせて画像を作るタッチモニターなど。体験すると選手のトレーディングカードがプレゼントされることもあって、多くの人が並んでいた。 会場の特設コーナーで集めたペットボトルキャップは回収業者に回収され、最終的にその売却益は世界の子供たちにワクチンを提供するための資金に充てられる予定だという。 2人乗りタンデム自転車はビデオゲーム形式で楽しめるようになっており、大画面の前に用意された自転車に乗って、2人がタイミングを合わせてペダルを漕がないと前に進むことができない。後方で漕ぐ人は目隠しをして、前に乗る人のかけ声に合わせて漕いでいくというもの。まずプレス向けの説明では、銀次さんとスタッフが2人乗りを体験。目隠しをした銀次さんは、前方に乗るスタッフの「ストップ!」「漕いでください!」といったかけ声に合わせながら、ゲームを楽しんだ。 さらに、障がいの有無に関わらず誰もがダンスを楽しめる場づくりに取り組むダンスチーム「SOCIAL WORKEEERZ」のリーダーであるDAIKIさんと銀次さんの2人で体験した。DAIKIさんは低身長などの症状が引き起こされる難病・軟骨無形成症だが、それでも楽しめるように、手でこげる仕様のものも用意されていた。「身長の低い子供、足が不自由な人、どんな人でも楽しめるように」(楽天担当者)という考えに沿った形だ。DAIKIさんと銀次さんは共にペダルを手で漕ぎながら、呼吸を合わせてゲームを体験した。 銀次さんは「目隠しをして恐怖感がある中で漕ぐのは難しくて、声かけが無いと何もわからないですね」と視覚の無い世界の難しさを実感し、DAIKIさんは「僕の身体特性的に普通の自転車に乗れないことが多いので、こういう手で漕げる自転車が日常化されたら良いな」とダイバーシティ対応だったアトラクションの実用化を期待していた。