いかにもドイツ車らしい──フォルクスワーゲン・ゴルフⅡGTI試乗記
ゴルフとモータースポーツ
ところで、ゴルフ50周年の会場には、初代からこの2代目を含めて現在の8代目にいたるGTIが、ミントコンディションで並べられた。隣の列はスーパーチャージャー「G60」を搭載したゴルフⅡを筆頭にした歴代「R」シリーズ。 さらに、モータースポーツで活躍した歴代ゴルフまで展示された。なぜゴルフの50周年をスポーツモデルばかりで? と、私が尋ねると、「今のフォルクスワーゲンはモータースポーツをやっていませんが、ゴルフの進化はラリーやレースと切っても切り離せませんから」と、ヘッド・オブ・フォルクスワーゲン・クラシックのミシャエル・ウインクラーが説明してくれた。 さらにもう1台、このときベールを脱いだのが、最新の「ゴルフRブラックエディション」。6月26日に発表された史上最強のRで、2.0リッターエンジンのパワーは従来と比べ10kW上がって245kW。これで4つの車輪を駆動する。 新意匠の19インチホイールをはじめ内外装にも手が入っている。フォルクスワーゲンロゴがイルミネーションで輝くし、バンパーにはエアカーテン。さらに室内では大きなインフォテインメントシステム用モニターが備わる。 もう1台が、5月末にニュルブルクリングサーキットで公開された「ゴルフGTIクラブスポーツ」。221kW(300ps)のパワーと400Nmの最大トルクをもち、鍛造ホイールをはじめ、車体の軽量化が徹底されている。 ゴルフGTI史上最強と謳われ、静止から100km/hまでを5.6秒で加速する。とりわけ注目は「DCCアダプティブシャシーコントロール」だ。オプションで用意されるこのシステムは、ニュルブルクリングサーキットの周回に特化した、シャシーコントロール性能を発揮するという。 スポーツゴルフも進化を続けているのだ。こちらは運転ができなかった(残念)。ドイツでは7月3日から受注が始まるそうだが、日本への導入は「未定」と、フォルクスワーゲングループジャパンではする。
文・小川フミオ 編集・稲垣邦康(GQ)