近所のドラッグストアではキャンペーンの対象が“現金払い”限定です。キャッシュレスだとお店側はどのくらい手数料を負担するのでしょうか?
ドラッグストアの中には、キャッシュレス決済ができる店もあれば、現金払い限定の店もあります。クレジットカードやスマホ決済など、現金以外の支払い選択肢が多くある昨今、現金払い限定の店があることに疑問を感じた方もいらっしゃるかもしれません。 本記事では、キャッシュレス決済に伴う手数料についてご紹介するとともに、現金払い限定のドラッグストアがある理由も解説します。 ▼セルフレジになったら「客に仕事をさせるのか!」と暴言を吐かれた! 仕事だし我慢するしかないの?
キャッシュレス決済の仕組みと手数料
キャッシュレス決済には、クレジットカードのほか、電子マネー(例:Suica、nanaco)、QRコードなどの種類があります。 キャッシュレス決済のおおまかな仕組みは、おもに店舗、消費者、決済事業者の三者から成り立ちます。決済事業者とは、消費者と店舗の間で決済サービスを実行する機関です。例えばクレジットカードでの支払いなら、クレジットカード会社が決済事業者に当たるでしょう。 消費者がキャッシュレス決済を行うと、店舗は決済事業者を通して代金を受け取ります。このとき店舗は、決済事業者に対して手数料を支払います。 手数料は決済事業者などにより異なりますが、習志野市によると、おおまかな手数料率は表1の通りです。 表1
出典:習志野市「キャッシュレス決済にはお金がかかる?」を基に筆者作成 決済手数料の一例を挙げましょう。ある店舗にて消費者がQRコード決済を行い、合計1000円の売上があったとします。仮に決済事業者の手数料が2%なら、店舗が決済事業者に支払う手数料は20円となります。
現金払い限定キャンペーンや支払い制約がある理由
今回のケースのように、現金払い限定のキャンペーンや、原則現金払いのみがOKでキャッシュレス決済は受け付けていない店舗がある理由として、以下の要素が関係しているかもしれません。 ・初期費用や手数料負担がネックになっている キャッシュレス決済を導入するのにかかる初期費用や、前述の手数料負担を気にしているのかもしれません。現金払いでは決済事業者を通さないため、手数料は発生しません。 ・価格還元を意図している 決済手数料の負担がない分、商品を多少安くする余裕が生まれる可能性があります。 ・入金サイクルをリアルタイムにしたい 現金払いは、即座に売上金が手元に入ります。一方キャッシュレス決済では、入金までにタイムラグが発生することもあるため、資金繰りのタイミングに不安を感じる店舗もあるでしょう。