【ソフトバンク】悔しさバネの牧原大の活躍で日本シリーズ連勝 生え抜き17年目の中村晃も爪を研ぐが…
日本シリーズはソフトバンクが敵地での1、2戦でDeNAを下して、4年ぶりの日本一に大きく前進した。日本シリーズはこれでプロ野球記録の14連勝。CS最終ステージでは打席機会のなかった伏兵の活躍が光った。 初戦は先発の有原が2回2死満塁で2点適時打を放ち、シリーズの流れをつくった。お膳立てをしたのが2死一塁から左翼線へしぶとく運ぶ二塁打を放った7番・牧原大だった。2戦目は3回1死満塁の2点適時打で勝利を大きく引き寄せた。試合後は笑顔を見せることなく「CS出られなかったのでその悔しさをぶつけた。気持ちだけです」と育成出身の32歳は振り返った。 日本ハムとのCS最終ステージでは初戦に川瀬、2、3戦目にダウンズが二塁でスタメン出場。レギュラーシーズンで最も二塁でのスタメンが多かった牧原大は代走、守備固めの起用だった。CSで川瀬、ダウンズともに存在感を発揮しており、再び控えに回ってもおかしくなかったが、巡ってきたチャンスで意地を見せた。 牧原大より出場機会に飢えている男がいる。生え抜き17年目の中村晃だ。20年までの日本シリーズ12連勝は全てスタメン出場。勝負強い打撃でチームに貢献してきた。昨季は136試合出場で140安打を放ち、一塁で4年連続のゴールデン・グラブ賞を受賞。34歳の円熟期だが、今季は一塁でポジションのかぶる山川の加入で代打の切り札的な位置づけとなった。 CS最終ステージでは出場機会がなく、小久保監督は球場での勝利会見インタビューで「まだベンチでは劣勢になったときの代打・中村晃。結局使わずじまいだったので日本シリーズで暴れてもらいましょう」と自ら名前を出し、ファンからの歓声を受けた。 その大舞台。初戦は6回2死二塁で打者・甲斐の打席でウエーティングサークルに登場。だが、DeNAはダミーと見破り、甲斐が申告経験されると、そのまま有原が打席に向かった。ようやく巡ってきた出番は2戦目の3点リードの9回無死の代打。二塁ゴロで全力疾走する姿に気迫がこもっていた。 ソフトバンクはここまでポストシーズン無傷の5連勝。DH制の3戦目からは近藤のスタメン起用で盤石の布陣となる。劣勢で局面を打開できる中村晃のバットが本当に必要とされる場面は訪れるだろうか。
報知新聞社