ラドゥカヌはワンとの２時間54分に及ぶ熱戦に敗れるも、「前向きにプレーができた」と試合を振り返った。（C）Getty Images

　現在開催中のテニス四大大会「全豪オープン」は現地１月18日に女子シングルス２回戦を実施。ケガからの復帰を果たしたエマ・ラドゥカヌ（イギリス／世界ランク296位）が、ワン・ヤファン（中国／同94位）に4-6、6-4、4-6のフルセットで敗れ、３回戦進出を逃した。試合後の記者会見でラドゥカヌは、悔しさを滲ませつつ、プレーには「満足している」と手応えを得た。 【動画】「全豪オープン」２回戦、ラドゥカヌ対ワンのハイライト 　昨年上旬に両手首と足首のケガでツアーを離れていたラドゥカヌは、2024年シーズンの開幕戦として行なわれた「ASBクラシック」（ニュージーランド・オークランド／WTA250）で約９カ月ぶりの実戦に復帰。全豪１回戦ではシェルビー・ロジャース（アメリカ／同161位）に6-3、6-2のストレートで勝利を収め、グランドスラム（四大大会）で白星スタートを切っていた。 　迎えたワンとの２回戦では、接戦の末に第１セットを落とすと、第２セットでは１ブレークダウンしたところから挽回しイーブンに。しかし勝負の第３セット、第１ゲームのサービスゲーム途中で胃の不調を訴える。 　メディカルタイムアウトを取って治療を受け、試合を続行するものの第１ゲームをブレークされてしまう。その後もワンのリードを縮めることができず、２時間54分で力尽きた。 　 　試合後の記者会見では悔しさを滲ませながらも、「前向きにプレーができた」と振り返ったラドゥカヌ。試合途中の体調不良について問われると、「体力的には問題なかったけど、突然気分が悪くなって吐き気がした。良いプレーをしていただけにタイミングが最悪だった」と明かした。 　惜しくも敗れはしたものの、完全復活を予感させるプレーを披露した21歳の元全米女王は、「昨年経験したケガや挫折、全てのことが私をよりタフにしてくれた」と語り、今後のツアーに向けてポジティブなコメントを残している。 「自分のテニスはいい感じ。今は手首と足首も良好で、身体の状態にとても満足している。コンスタントにプレーし続ければ、勝てるチャンスはあると思う」 　数々の苦難を乗り越えてグランドスラムの舞台に帰ってきたラドゥカヌ。ケガの再発には十分に注意しながら、女子ツアーを盛り上げてくれることを願いたい。 構成●スマッシュ編集部