大雨で不通だったJR日南線の南郷―志布志間、40日ぶりに運行再開…高校生ら利用多いが存廃で懸念も
10月22日の記録的大雨で被災し、不通となっていたJR日南線の南郷(宮崎県日南市)―志布志(鹿児島県志布志市)間は2日、約40日ぶりに運行を再開した。ただ、JR九州が11月、日南線の一部区間について沿線自治体に対し、将来の地域公共交通の最適なあり方を議論する働きかけを行うと発表したため、懸念を抱える中での再開となった。 【地図】JR九州が議論を呼びかける日南線の油津―志布志間
鹿児島県に近い串間駅(宮崎県串間市)では午前6時過ぎ、沿線自治体でつくるJR日南線利用促進連絡協議会の関係者らが再開を記念し、始発の上り列車を待つ高校生ら約30人に使い捨てカイロを手渡した。
運休期間中、串間市から日南市に代替バスで通学した日南高3年の生徒(18)は「放課後に学校で勉強していると、バスに間に合わなくなり親に迎えに来てもらうこともあった。再開はうれしい」と話した。
一方、JR九州は11月28日、南宮崎(宮崎市)―志布志間を結ぶ日南線のうち、油津(日南市)―志布志間について、最適な公共交通のあり方を議論したいと表明した。路線の存廃議論に発展することも懸念されており、始発を見送った串間市総合政策課の塚本陽一課長は「(今朝も)多くの生徒が利用し、市民に欠くことのできない足だと実感している。地元の声をしっかりと伝えたい」と話した。