「実は最大懸念」石破首相〝体力不安〟乗り切れるか 心身の疲労蓄積…「年収の壁」「政治とカネ」など難題山積、臨時国会召集
臨時国会が28日、召集された。衆院選で自公両党が惨敗して少数与党に転落後、初の本格的論戦の場となる。政府与党は経済対策の裏付けとなる「2024年度補正予算案」の早期成立を目指すが、石破茂首相は自ら再炎上させた「政治とカネ」の問題や、「年収103万円の壁」、南米訪問での「外交失態」についても野党の追及を受けそうだ。こうしたなか、石破首相に「体力・気力の不安」を指摘する声が出てきた。 【写真】居眠りか?うつむき目をつぶる石破首相 「石破総理 実は最大懸念は体力」 自民党の青山繁晴参院議員は27日夜、自らのユーチューブ番組「ぼくらの国会」で、こうしたタイトルの動画をアップした。翌28日朝までに10万人以上が視聴した。それだけ、永田町の懸念事項となっているようだ。 注目の臨時国会で、石破首相は29日に所信表明演説を実施。与野党の代表質問は12月2~4日に衆参両院の本会議で行う。少数与党で首相が信条とする「熟議」の真価が問われるが、野党の攻勢は厳しさを増しそうだ。 石破首相の疲労は日に日に蓄積している。 首相指名選挙が行われた11日の衆院本会議中には、緊張が高まる局面で〝居眠り〟する姿をとらえられ、「当事者意識の欠如」(野党幹部)などと指弾された。 ペルーで行われたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議では16日、大統領府で行われた首脳歓迎夕食会を30分あまりで退出した。会議前には各国首脳と交流を図るでもなく、スマートフォンをいじる姿などが批判を浴びていただけに各国首脳との貴重な顔合わせの場を中座する姿勢がさらなる批判を浴びた。 首相指名選挙に前後して、9日と13日に病院を受診し、最近は表立った「夜の会合」なども控えている。 ある自民党議員は「石破首相のそばに『頼れる仲間』がいない。近い立場の議員は要職に起用し、それぞれが手いっぱいだ。ドナルド・トランプ次期米大統領との面会も決まらない。多くの難題を抱え込み、判断せざるを得ない状況だけに心身の疲弊は蓄積するばかりだろう」と語る。 政治評論家の有馬晴海氏は「衆院選で惨敗して政権を維持するのは『説得力』に欠ける。石破首相なりに努力しているが、執行部の求心力は落ちており、党内外から圧力がかかる状態だ。与野党の対立が明確な課題を国会で通すのは難しく、安全運転に徹するしかない。自民党が少数与党に転落した状況で『火中の栗を拾う』機運も乏しく、当面は石破体制が続くだろうが、石破首相本人は心身ともに厳しい局面にさらされ続ける」と語った。