JR西、全国初の「防刃傘」開発 電車内切りつけ事件を受け対策
JR西日本は17日、特殊な布を使った傘状の防刃用具「防刃傘」を全国の鉄道会社で初めて開発したと発表した。昨夏、関西空港線の車内で起きた切りつけ事件を機に、安全用具開発に取り組んできた。 【写真まとめ】強固な「防刃傘」のフレーム JR西によると、防刃傘は刃物を通しにくい特殊な布を使用。車内で刃物をちらつかせる人物らに対し、広げて盾のようにして使う。一般の傘より柄が約20センチ長く、危害を加えようとする人物と一定の距離を保ち、傘の後方にいる乗客を避難させるための時間を確保する狙いがある。傘状にしたことで、さすまたなどよりもコンパクトに収納ができ軽量で扱いやすいことも特徴だという。 JR西では2023年7月、関西空港線の車内で乗客ら3人が切りつけられる事件が発生した。担当者は「従来配備していた防護盾は対抗した場合に距離が近く、重さもある。女性社員らも使いやすいよう工夫した」と話す。 11月ごろから近畿エリアの車両約600編成に計1200本を配備する。17日の記者会見で長谷川一明社長は「車内でもある程度操作ができ、強度もある。万が一の時には乗務員が対応し、お客様に安全に退避してもらいたい」と話した。【洪玟香】