〝ものまね女王〟清水ミチコ ライブがミチコのミチシルベ 本拠地はあくまで生のステージ「こんな楽しいことはほかにない」
幼いころから、耳で聞いて感じたことを、そのまま表現しては面白がっていた。小学生のころから、山口百恵や桜田淳子のものまねを同級生の前で披露していた。褒められるようになったのは、中学生になってからだ。
「卒業式の時に下級生の女の子から『最後に百恵ちゃんと淳子ちゃんのまねをきかせてください』ってせがまれて、喜ばれていたと知り、自信がついたんです」
短大時代に「ビックリハウス」(パルコ出版)や「オールナイトニッポン」(ニッポン放送)にネタを投稿。採用されるようになり放送作家のバイトを始めるも、「一生懸命書いたものより、ものまねで一言やったほうがウケると知り、そちらに傾いていきました」。
矢野顕子や松任谷由実といった得意のものまねを吹き込んだデモテープが縁となり、笑いの世界に足を踏み入れた。〝ものまねの女王〟として君臨し、レパートリーは100人以上を数える。
「今でも(山口)百恵ちゃんはやりますけれど、若くてかわいい人のまねは少なくなってきて…。自分の声がおじさんのように低くなってきたのか、男性のものまねが増えました。聞いている側も無理して若ぶっても気味が悪いでしょ」
ステージでは、ものまねとピアノの弾き語りが融合される。80年代後半、「笑っていいとも!」(フジテレビ系)で一躍人気になったが、本拠地はあくまで生のステージ。
■歌も笑いも観客との遊び、こんな楽しいこと他にない
「ライブだと自然と張り切ってしまうことはわかってはいましたが、50代を越えた頃から、ライブが好きだと感じるようになりましたね。反応がすぐ返ってくるスリルもありますし、頑張ったのにスベってしまうこともあります。そんな賭けみたいな部分も味わえるのがライブ。ただ、ダダスベリは覚えていても、会心のネタは忘れてしまうもんですけれど…」
第一線で活躍を続ける秘密を問うと「歌や笑いといった芸能がすごく好きで、お客さまとゲームで遊ぶのも好き。こんな楽しいことはほかにはありません。ライブが好きなんですよ」と納得の答えが返ってきた。