宇治市萬福寺の精進料理「普茶料理」の企画展 幻の料理にスポット当てる 宇治市歴史資料館
宇治市の萬福寺から広まった精進料理のうち、幻の料理にスポットを当てた企画展が行われています。萬福寺を創建したのは、江戸時代初期、中国から来日した隠元禅師です。隠元は、日本にインゲン豆やスイカを広めました。宇治市歴史資料館の企画展ではこの隠元の功績のうち、中国風の精進料理「普茶料理」に焦点を当てています。普茶とは普(あまね)く茶を提供するという意味の禅のことばです。普茶料理は、4人で1卓を囲み、大皿料理を直箸で平等に取り分けるのが特徴です。その普茶料理の中で名物と言われる「豆腐羹(とうふかん)」は、豆腐の水気を抜く工程を3度繰り返して固め、しょう油で煮込んで作ります。会場では、映像でも製作工程を紹介しています。「豆腐羹」を作っていた萬福寺近くの老舗「松本豆腐羹」が11年前に店を閉じたため、「豆腐羹」は幻の普茶料理となりました。この幻の普茶料理にも思いを馳せる企画展は12月1日まで行われています。入場無料です。