スタイリッシュな新型「4ドアセダン」発売! 1000台限定で「495万円から!?」 日本の道で試したBYD「SEAL」の実力とは
そして公言通り、6月25日に正式発売がスタートしました。すでに筆者は2023年に中国にて試乗済みですが、今回は“日本仕様”を日本の“道”でシッカリ試乗してきました。 エクステリアはグリルレスのフロントマスク、4ドアクーペシルエットのサイド、そしてシンプルなリアとBEVと、空力を意識しながらも奇を衒わない、BEVセダン王道のデザインと言った印象です。 個人的にはまとまってはいるとは思うものの、中国車らしい“イケイケ感”はあまり感じられず。 ちなみにデザイナーは元アウディのウォルガング・エッガー氏によるモノですが、「従来の自動車の美しさを継承した」と語っています。 ボディサイズは写真で見るとコンパクトに感じますが、実際は全長4800×全幅1875×全高1460mmとメルセデス・ベンツ「Cクラス」やBMW「3シリーズ」に近いです。 インテリアは運転席前に小型のフル液晶メーター、センターにBYDの特徴の一つである回転式の大型ディスプレイを備える点は他のモデルと同じですが、高めに設定されたセンターコンソールによりコクピット感覚は強めでスポーティな印象です。 インフォテイメントは日本語対応もバッチリで操作性も高いです。個人的には音声検索が優秀で、「ちょっと窓を開けてほしい」、「助手席の温度を上げて」と言った細かいオーダーができるのはさすがと思う一方で、日本語のナビゲーションとの連携が現時点ではできていないのは非常に残念な部分。この辺りはOTAを活かした早急の対応が必要でしょう。 質感・品質は個々のパーツを見るとレベルは高いですが、全体的に見ると調和が取れておらず大味に感じる部分も。 居住性は2910mmのロングホイールベースを活かし室内空間は見た目以上に広く、特に後席の足元スペースは1クラス上のセダンに匹敵するレベルと言えるでしょう。 パワートレインは後輪駆動が230kWのシンプルモーター仕様、AWDは160kW/230kWのツインモーター仕様です。 バッテリーはBYD独自のブレイドバッテリー(リン酸鉄リチウムイオン)を搭載しており、容量は82.5kWh。航続距離はシングルモーター仕様が640km、ツインモーター仕様が575kmとなっています。 アクセル操作に対する反応の良さはBEVでは当たり前ですが、加速の立ち上がりは意外と緩やかでジェントル。 AWDモデルはシステム出力390kW/650Nmとかなりハイスペックですが、アクセル全開時はハイパワーBEV特有の脳天揺さぶるような怒涛の加速ではなく、「加速感は少なめだが速い」と言う印象です。 ちなみにシフトレバー付近にあるドライブモードはECO/ノーマル/スポーツが選択できますが、日本車のBEVに多い「加速レスポンス」の変化ではなくトルクが変化。 日常域ではAWD仕様はもちろん後輪駆動仕様でも十分以上のパフォーマンスなので、個人的にはECOで十分かなと。 フットワークは車体、ステア系、サスペンション周りなどの基本素性の高さは感じるものの、試乗中は総合的に「何かが足りない」と感じたのも事実です。