春日部共栄 野球部寮に「東大ルーム」 本棚に難関大学問題集、使用ルール厳格 /埼玉
<センバツ高校野球> ◇部員79人、全員進学希望 野球も勉強も全力投球--。第91回選抜高校野球大会(3月23日開幕)に出場する春日部共栄の野球部寮に「東大ルーム」と名付けられた勉強部屋がある。同校では文武両道をモットーに掲げ、79人の部員全員が大学進学を希望。選手らは野球だけでなく、勉学にも懸命に取り組んでいる。 東大ルームは10年ほど前に寮2階の一室を改装して作られた。当時、野球部から初めて東大を目指す選手が出たこともあり、「勉強に集中し、夢をかなえてほしい」と設置された。 部屋には勉強に集中できるよう、ブースで仕切られた7席がある。本棚には東大、早稲田大、慶応大など難関大学の過去問題集が並ぶ。選手らと寮で生活を共にする柳川淳コーチは「毎日誰かが勉強している。特にテスト期間の直前は、すぐに席が埋まります」と話す。 6日夜、練習を終えた選手らが参考書やノートを抱えて、東大ルームに入ってきた。部屋の扉には「警告 飲食禁止。私物の放置禁止。例外は一切ない。1回でもあれば使用を禁止する」との張り紙がある。使用のルールは厳格で選手らは黙々と勉強する。 ほぼ毎日、東大ルームを利用するという本田敬也(たかなり)選手(2年)は「寮の個室はうるさいときもある。東大ルームは静かだし、教材もそろっていて勉強に最適です」と満足げだ。 柳川コーチは「野球だけでなく勉強にも励むことで、社会で通用する大人になってほしい」と期待を込めた。【畠山嵩】