実は日産もバイクを発売していた! ホンダとの経営統合でバイクに影響はある!?
電動バイクへの好影響はありそうだが、大きな変化はないと予測
当webとして気になるのは、やはりバイクへの影響だ。現時点では詳細が発表されていないため全く不明ながら、特に電動バイク関連への影響はありそう。 クルマの分野で日産のEV開発はホンダの先を行っており、ホンダが技術供与を受ける可能性が高い。ホンダの電動バイクに使用されているモーターは基本的に独自開発の自社製。着脱式バッテリーの「ホンダモバイルパワーパックe:」も自社開発だ。これらに日産の技術が活かされ、さらなる高性能化が図られる可能性はある。 しかしながらホンダのバイク事業に大きな変化はないと予想される。実はホンダの事業を支えているのは二輪事業。2023年度の決算資料によると二輪事業の営業利益は5562億円。これに対し、四輪事業の営業利益は5606億円。全営業利益1兆3819億円のうち、ほぼ半分を二輪が稼ぎ出している。 最新の2024年4~9月期に限って言えば、営業利益は逆転し、二輪3258億円、四輪2580億円となっている。さらに、高いほど収益性が高い“営業利益率”を比べてみると一目瞭然。2023年度の四輪事業は4.1%なのに対し、二輪事業は17.3%と圧倒的だ。 これほどの高業績を挙げている二輪事業に日産が口を挟む余地はなく、大きな変化が起きるとは考えにくい……というのが世間一般の見解だろう。それどころか経営統合が実現した場合、ホンダの好調な二輪事業の稼ぎを、経営不振の日産が相殺してしまう可能性も。こうした懸念から、現に日産の株価は一時ストップ高、ホンダは年初来安値を記録してしまった。
日産は欧州でバイクを販売中、かつては独自のバイクも生産していた!
とはいえ、実のところ日産はバイクに興味を示しているメーカーだ。欧州でスペインの大手EVメーカー「サイレンス」と提携し、2024年6月から電動バイクと小型四輪EVを販売。6月からフランスとイタリア、9月からドイツ、10月から英国で発売を開始していた。 サイレンスの電動バイク「S01 Plus」は、7.5kW の電動モーターと、シート下に着脱式バッテリーを備え、0-50km/h加速はわずか2.8秒。300ccのガソリンエンジン二輪車と同等の動力性能を持つ高性能コミューターだ。 さらにあまり知られていないが、日産は「ニッサンバイクモーター」というブランドから二輪車を発売していた過去を持つ。 1953年当時、トヨタがクルマとバイクを販売しており、好評を博していた。そこでライバルの日産もブランドを立ち上げ、自転車にエンジンを搭載した通称「バタバタ」を販売。2.3PSを発生する2ストローク60cc単気筒は2段手動グリップ変速機付きという先進的なエンジンだった。 しかし、ダットサンなどの四輪が好調だったため、1年程度で生産を終了してしまった。 ちなみに日産は2009年の東京モーターショーにバイク感覚で走れるEVコンセプトモデルを出品。この「ランドグライダー」は、バイクのような細身ボディに前後二人が乗車でき、車体のバンクもできる。
日産ブランドのバイクが登場する可能性はゼロじゃない
確定した話は現時点で何もないため、推測の域は出ないが、ホンダ、ニッサンのブランド名は残ると予想される。そして欧州での事例のとおり、日産ディーラーでホンダの電動バイクを販売する可能性はあるかもしれない。さらに妄想を一歩進めれば、ホンダからOEM供給を受けて日産ブランドのバイクが登場する可能性も全くのゼロではないかもしれない。今後も動向を見守っていきたい。
Webikeプラス編集部