印財閥アダニ、米起訴受け銀行や当局が投融資調査 資金調達に試練
[シンガポール/シドニー 25日 ロイター] - 贈賄罪などで会長が米検察に起訴されたインドの財閥アダニ・グループに対し、エクスポージャー(投融資)を縮小したり新規融資の停止を検討する動きが出ている。アダニのドル建て債価格は25日、約1年ぶりの安値に下落した。 今回の問題を受け、銀行や規制当局はアダニ・グループ関連エクスポージャーを調査している。 シンガポール金融管理局(中央銀行)は25日、同国銀行部門のエクスポージャーは全体的に小さいと表明。「銀行は借り手や取引先へのエクスポージャーを見直し、管理するための措置を講じている」とした。 シンガポール最大の銀行DBSグループは2023年初めにアダニ・グループへのエクスポージャーは13億シンガポールドル(9億6700万ドル)と明らかにしていた。 銀行関係者によると、一部の国際的な銀行は、今回の問題を受け、同社への新規融資の一時停止を検討しているが、既存融資は維持している。 ルクラー・アナリティクスは「米国での起訴により、短期的にグループの資金調達、特にオフショア市場へのアクセスが制約される可能性が高い」と指摘した。 グループ企業の現金残高は2025年3月期中間期時点で63億3000万ドル。現金残高は、向こう28カ月に予定する長期債務返済額を上回っているとアダニは説明している。