英中銀、0.25ポイント利下げ-予算案はインフレ押し上げと警告
それでも、MPCは「データの展開に基づき、景気抑制的な金融政策の解除は段階的なアプローチが依然として適切だ」というガイダンスを維持した。
中銀の論調は、これが今年最後の利下げであることをトレーダーに確信させた。短期金融市場が織り込む12月の0.25ポイント追加利下げの確率は15%程度と、決定前の25%や10月初めの約70%から低下した。
投資家は来年の利下げ幅予想も縮小させた。市場は2回の利下げを完全に織り込むが、3回目の確率は50%程度となっている。この見直しにより、ポンドは一時0.9%上昇して1.2997ドルを付けた。
政策決定とともに公表した四半期金融政策報告では、8月時点の中銀の予測と比較して、労働党政権の予算案がインフレ率を約0.5ポイント押し上げ、25年7-9月(第3四半期)にインフレ率が2.8%に達すると推計した。
MPCは6日、米大統領選の結果が明らかになった直後に採決を行ったが、議事要旨では貿易戦争のリスクについて限定的な言及にとどめている。
議事要旨は「貿易のさらなる分断化や、中東を含む地政学的な状況悪化による物価や商品価格の上振れリスクがある」と指摘した。
トランプ氏の当選について記者会見で質問されたベイリー総裁は、米国の将来的な政策見通しには「全く反応するつもりはない」と主張。
「米国の新政権と協力できることを楽しみにしている」とし、「前回のトランプ政権とも現政権とも協力してきた。先入観なしに、建設的に協力するのがわれわれの仕事だ」と語った。
原題:BOE Delivers Rate Cut With Warning on Budget’s Inflation Hit (2)、BOE Delivers Rate Cut With Warning of Budget’s Inflation Impact(抜粋)
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Philip Aldrick, Andrew Atkinson