「薬剤耐性菌」増で“サイレントパンデミック” 25年間で死者3900万人超か どう防ぐ?…自己判断はNG【#みんなのギモン】
■重症化リスクが高くなる人は?
猪子記者 「そして耐性菌がヒトからヒトへと広がっていくと、抗菌薬の効かない感染症が広がってしまうリスクがあるということです。中南教授によると、免疫力の弱い高齢者や乳幼児、基礎疾患のある方が感染してしまうと、重症化のリスクが高くなります」 河出奈都美アナウンサー 「ご高齢の方だと『心配だから』と(抗菌薬を)もらってしまうこともあるかもしれないので、気にかけた方がいいかなと思いました。やはり気になるのは、私たちはどうやって飲んでいけばいいのでしょうか?」
■厚労省、使用量15%削減を目指す
猪子記者 「正しい飲み方を考えます。薬剤耐性菌への対策は世界的な課題なので、日本でも対策が行われています。厚生労働省が去年発表したアクションプランでは、2027年までに人口1000人あたりの1日の抗菌薬の使用量を、2020年比で15%減らすことを目標にしています」 「この背景には、日本だけでなく世界的にも、不必要な処方が問題視されていることもあるそうです」
■正しく抗菌薬を服用するには?
猪子記者 「では、一般の私たちができることは何なのでしょうか。中南教授によると、まずは医師や薬剤師の指示通りにきちんと抗菌薬を飲むことです。自己判断で途中でやめたり、1回2錠と言われたのに1回1錠にするなど減らしたりしない」 「必要な量を飲まないことで薬剤耐性菌を生み出し、増やし、広げてしまうかもしれません」 「以前飲みきらなかったものを『今回も同じような症状が出ているから』と勝手に飲むのもダメです。今回も同じ細菌が原因とも限りませんし、菌をしっかりやっつけるには量が足りていないかもしれません」 「中南教授は『手元に残っている抗菌薬は捨ててください』と話していました。『念のため』として医師に抗菌薬の処方をお願いするのもやめましょう」 鈴江アナウンサー 「耐性菌が広がっているということで、不安になっている人もいらっしゃると思います。正しく抗菌薬を飲むことに尽きると思いますが、それ以外にはどんなことを心がけたらいいでしょうか?」 猪子記者 「耐性菌には有効な抗菌薬がないこともあるため、まずは感染しないことが重要だそうです。感染予防には日頃から正しい手洗いの徹底など、基本的な対策が重要になるということで、健康に気をつけていくことも大切だそうです。心がけていきたいですよね」 鈴江アナウンサー 「薬のいい部分とリスクとを正しく理解して、きっちりと医師に従って処方されたものを飲みたいですね」 猪子記者 「世界的な問題になっている薬剤耐性菌。さらなる拡大を少しでも食い止めるためにも、処方された薬をきちんと服用するなど、できることをしていきたいですね」 (2024年9月18日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)
【みんなのギモン】 身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト)