「薬剤耐性菌」増で“サイレントパンデミック” 25年間で死者3900万人超か どう防ぐ?…自己判断はNG【#みんなのギモン】
■抗菌薬から逃れるために「変異」も
桐谷美玲キャスター 「世界中で増えているということですが、薬剤耐性菌はどのようにできるものなんですか?」 猪子記者 「薬剤耐性菌の研究を行う東京薬科大学の中南秀将教授によると、薬剤に耐性のある細菌は何もしなくても突然変異で生まれることもありますし、抗菌薬から逃れるために変異して耐性を持つこともあります」
■「薬剤耐性菌」どうやって増える?
猪子記者 「こうして生まれた耐性菌は、どのように増えていくのでしょうか? 例えば『5日間飲みきってください』と医師から処方された抗菌薬を、症状が良くなったからと、患者さんが3日で飲むのをやめてしまったとします」 「そうすると、原因となる菌を殺しきれずに、弱った細菌が突然変異で耐性菌に変わることがあります。そして、いつの間にか体の中で耐性菌が増殖してしまいます」 森アナウンサー 「私も若い頃は、症状が良くなると『もういいか』と思って飲まなくなったこともありました」 「症状が出てなくても体の中には細菌がいるので、それを全部なくすために(抗菌薬を)飲みきらなきゃいけない。むしろ飲みきらないと耐性菌が増えるきっかけになってしまうということですね」
■不要な抗菌薬を飲むことで…増殖も
猪子記者 「医師が判断した量をきちんと飲むのが大事です。近頃は減っているそうですが、風邪の時に患者側が『念のために抗菌薬をください』と言ったり、医師が『こじらせて中耳炎や肺炎になるのが心配』と抗菌薬を予備的に処方したりするケースがありました」 桐谷キャスター 「私が子どもの頃は、普通の風邪でも抗生物質を飲まされていた記憶がありますね」 森アナウンサー 「よく処方されていたイメージはありますよね」 鈴江アナウンサー 「抗生物質は効くと思って、積極的に取ろうとしていました」 猪子記者 「私にもそんな覚えがあります。風邪は細菌ではなくウイルスが原因ですので、本来なら抗菌薬は必要ありません」 「中南教授によると、不要な抗菌薬を飲むことで、変異した耐性菌やたまたま体内にいたわずかな耐性菌が、他の細菌が抗菌薬で体からいなくなったことで、より増殖することもあります」