いまの運用成績は円安の影響も大…楽天証券の”中の人”に聞く「NISA・オルカン一択で大丈夫?」
株式の時価総額は、「株価×発行済株式数」で算出され、一般的には企業の規模を示すとされる。そして、ほとんどの株価指数は時価総額をベースにして構成される。そのため、時価総額の大きな株式市場と銘柄の構成比率は上昇し、偏りができることで、ファンドのリスクが上昇してしまう。 「インデックスファンドは低コストで、効率よく分散効果が期待できる投資方法ですが、近年、分散度合いが低下している点は留意すべきです。インデックス運用の限界を示しているともいえるでしょうか」 ◆国内株の「アクティブファンド」も選択肢に では、そうした弱点を理解した上で、実際の投資はどうしたらよいのだろうか? 「今後、少なくとも10年程度は使う予定がない余裕資金なら、【オールカントリー】や【S&P500】だけに投資しても問題はないと思います。但し、その場合は、積み立てをして投資タイミングの分散を図り、長期にわたって投資を継続することで、リスクを抑制することが鉄則となります」 また、すでに【オルカン】や【S&P500】の積立投資をしている人で、もう少しリスクを抑えて効率的に運用したいという人には、国内株式の「アクティブファンド」を組み合わせることを提案する。アクティブファンドは、さまざまなタイプがあるが、基本的には指標(インデックス)を上回る運用成果を目指す投資信託のことだ。 「日本の株式市場は、米国に比べると、アクティブファンドがインデックスに〝勝ちやすい〟マーケットです。 個人投資家が直接為替リスクを負わなくとも、投資先の企業が為替リスクを負ってくれるという側面もあり、【オルカン】や【S&P500】に組み合わせれば分散投資効果の向上が期待できるでしょう。 アクティブファンドと聞くと、運用コストである運用管理費用がインデックスファンドよりも高いため、選択肢から外す人が少なくありません。 しかし、コストを考慮してもインデックスを上回る成果を出しているものは何本もあります。そうした超過リターンを得られる可能性を捨ててしまうのは、もったいない」 そこで、篠田さんに、組み合わせに向く国内株のアクティブファンドをピックアップしてもらった。組み合わせる際の投資金額は、【オルカン】や【S&P500】の半分程度が目安になるという。ぜひ参考にして欲しい。 取材・文:松岡賢治 マネーライター、ファイナンシャルプランナー/証券会社のマーケットアナリストを経て、1996年に独立。ビジネス誌や経済誌を中心に金融、資産運用の記事を執筆。著書に『ロボアドバイザー投資1年目の教科書』『豊富な図解でよくわかる! キャッシュレス決済で絶対得する本 』。
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