いまの運用成績は円安の影響も大…楽天証券の”中の人”に聞く「NISA・オルカン一択で大丈夫?」
「NISAでは何に投資すべきか?」――このテーマで必ず挙がるのは【オールカントリー】や【S&P500】といったインデックスファンド。ネット記事やSNSでは、それ以外の選択肢がないかのような誉め言葉が並ぶ。しかし、そうした高評価だらけの状況で、見えにくくなっている〝弱点〟があると専門家は指摘する。 【実名公開】必見! 「オルカン」「S&P500」との組み合わせに向くファンドとは… ◆NISAのリスタートで判明した異例の「オルカン人気」 リニューアルした『NISA』が’24年1月から始まった。早速、金融市場に大きなインパクトを与えている。国内の投資信託市場は、1月だけで1兆3107億円が流入超過に。内外の株式市場の上昇も加わり、1月末の国内公募追加型株式投信(ETF除く)の純資産総額は111兆5956億円と過去最高を更新した。 資金の流入先も目を引く。資金流入額のトップは『eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)』(以下【オルカン】)で3439億円。新規設定ではなく、既存の投資信託(ファンド)の単月としては異例の大きさだ。人気化するとは予想されていたものの、前代未聞の金額といえよう。なお、第2位は『eMAXIS Slim米国株式(S&P500)』2090億円と、こちらも決して引けを取らない大きさとなっている。 この『eMAXIS Slim』シリーズのほかにも、【全世界株式】や【S&P500】のインデックスファンドは他社から販売されており、いずれもかなりの資金流入が見られる。合計すると、この2種類のインデックスファンドに、約1兆3000億円の個人の新規資金の半分以上が流れ込んでいる。 ◆【オルカン】と【S&P500】の圧倒的なパフォーマンス インデックスファンドとは、株価指数などの指標(=インデックス)に連動した運用を目指す投資信託のこと。【オルカン】の指標は、その名が示すように、『MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス』で、新興国を含む世界の株式市場をカバーしたもの。そして、【S&P500】は指標の名称で、米国市場の代表的な500銘柄で構成されている。 数あるインデックスファンドの中で、この2つが個人投資家から圧倒的な支持を受けている理由は何か。まずは、過去の運用成績の優秀さだ。【オルカン】の’24年1月末までの3年間の上昇幅は+68%、同じく1年間では+32%。【S&P500】の方は3年間で91%、1年間ではなんと41%という記録を出している。 こうした高いパフォーマンスを受けて、昨年来、「NISAで投資するならオルカンかS&P500」といったコメントが、あらゆるメディアとSNS上で、金融の専門家や個人投資家から〝満場一致〟で発信された。それが、「NISAを始めたいけれど何に投資していいかわからない」という層に、強く刺さったといえるだろう。