高橋宏斗が表彰式で見せたプライド 悔いた3日前の投球「2位のためにやってない」
決勝・台湾戦は出番なしも「関われていないのも、めちゃくちゃ悔しいです」
世界一以外は“失敗”と同じだった。野球日本代表「侍ジャパン」は「ラグザス presents 第3回 WBSC プレミア12」で準優勝。高橋宏斗投手(中日)は表彰式で首にかけられた銀メダルをすぐに外した。 【写真】侍左腕の“彼女”が「美人すぎ」 恋人繋ぎで登場に大注目「可愛い」 「僕たちは2位になるためにやってきてなかったので。世界一を目指してやっていたので。すごく今は悔しいですし、この試合に関われていないのも個人的にはめちゃくちゃ悔しいです」 口を真一文字に結び、歓喜にわくチャイニーズ・タイペイ代表をジッと見つめた。 20歳だった昨年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に続き、チーム最年少の22歳で参戦した。15日のオープニングラウンド・韓国戦では4回8奪三振7安打2失点だったが、21日のスーパーラウンド・米国戦では4回8奪三振2安打無失点。決勝から3日前、メジャーの若手有望株が並ぶ打線を完璧に封じたばかりだった。だが、竜の若き剛腕は見ている世界が違った。 「米国戦は投げている球は良かった。でも、そこで4イニングではなく、6イニングを投げていたら、今日の展開も変わっていた。全てのつながりがあっての今日の敗戦。試合に出ていないから関係ないではない。僕にも敗因はあったと思います」
戸郷や才木から学び「同じ真っ直ぐ、フォークの投手なので」
3日前の投球を決勝の敗因に見るとは……。「一発勝負にかける部分では初回から飛ばして行って、その中でも先発投手は長いイニングを投げないといけない。まだまだ課題の投球が多かった」。エースとしての自覚はもちろんだが、それ以上に、何かとんでもない発言を聞いた気がした。 チーム結成から約1か月。「戸郷さん、才木さんは僕と同じ真っ直ぐ、フォークの投手なので。そこの感覚はすごく参考になりました。才木さんは真っ直ぐの投げ方、真っ直ぐの使い方、試合や映像を見ていて勉強になったので、それを来シーズンに生かして頑張りたい」。2002年生まれの22歳。一流投手たちからの学びもスポンジのように吸収し、来季へ生かしてくるだろう。当然、2026年WBCも見据えている。 「もちろんその思いは強く持って、来シーズンはやらないといけない。やっぱり先発で、メジャー組が入ってきても、圧倒的な成績を残して。世界一奪回へ僕も準備したい」 ダルビッシュ有に大谷翔平、山本由伸、今永昇太、佐々木朗希。菊池雄星、千賀滉大だっている。メジャー第一線で躍動する先発投手と共闘する中でも、エースの座を勝ち取るつもりだ。
小谷真弥 / Masaya Kotani