[プレミアリーグWEST]意識変化のきっかけとなった相手と接戦。静岡学園は主軸の復帰や新戦力の台頭でもうワンランク上げて、次は勝つ
[11.24 プレミアリーグWEST第20節 大津高 2-1 静岡学園高 大津町運動公園球技場] 【写真】「全然違う」「びびるくらいに…」久保建英の9年前と現在の比較写真に反響 静岡学園高(静岡)はプレミアリーグWEST優勝チーム相手に手応えの90分間となった。この日は選手権静岡県予選MVPのDF岩田琉唯(3年)が怪我、同大会ベストイレブンのMF堀川隼(3年)が大学受験のためそれぞれ不在。チームの要と言える2人を欠く中、2年生5人が先発したものの、大津高(熊本)と互角に近い戦いを見せた。 DF関戸海凪(3年=静岡学園中出身)は、前期に1-8で敗れた大津戦でベンチ。「やっぱり外から見てて(大津の)レベルの高さ感じましたし、差も凄い感じたんで。(それが)日々の練習でしっかり意識高くやってこうっていう気持ちに切り替わった試合だったんで、その成果が出たかなと思います」と前期からの変化について説明する。 前期の大津戦で課題となった出足、球際の差を改善。この日の前半はゲーム主将を務めたMF天野太陽(3年)が中心となってボールをリズム良く動かし、左サイドの俊足ドリブラー・MF原星也(3年)が躍動した。 前半27分に先制点を献上したものの、その4分後に右SB望月就王(3年)の右CKから天野が同点ゴール。先発のチャンスを得たFW佐々木雄基(2年)も怖がらずにボールを受けて強気のドリブルを繰り出していた。静学らしいテクニックとアイディアも表現。ベンチ入りした井田勝通前監督も高く評価するような前半の戦いだった。 中軸の天野が負傷によってハーフタイムに交代。後半立ち上がりまでは主導権を握っていたが、その後、前半のようにボールが動かなくなり、1-2で敗れた。細部での精度やセカンドボールの攻防、体力面も差に。それでも、川口修監督が「(可能性のある2年生に)経験を積ませたかったし、そういう選手にチャンスを与えて、何ができる、何ができないっていうのを見極めるっていうのも今日のゲームのポイントだった」という中で186cmDF吉田俐軌(2年)や佐々木が個性を発揮し、アピールした。 後半にキャプテンマークを巻いた関戸は、「やっぱりガンちゃん(岩田)とか野田(裕人主将)とかがいない中で、自分が中心となってやっていくべきだったんですけど、(2年生DFの)吉田俐軌とかに助けられたシーンもありましたし、全員がレベルアップしてるんじゃないかなと思いました」とチーム全体のレベルアップを実感していた。 ともに怪我のために後半戦欠場の続いていた右SB野田裕人主将(3年)と左SB鵜澤浬(3年)が間もなく復帰。いずれもJクラブが関心を寄せるほどの攻撃力を持つこの2人や、岩田、堀川が加わることで、「サッカーの内容でさらにもうワンランク上に行く自信あるから、そこはもう手応えしかない」(川口監督)。大津と再戦し、次こそ上回ることも目指して選手権(12月28日開幕)を戦う。 関戸は一時先発から外れていたものの、岩田らに刺激を受けながら努力を重ね、対人守備の強さやビルドアップの精度を武器に先発定着。選手権予選では大会優秀DFに選ばれている。「(選手権では)予測とか、対人の強さを活かして守備で貢献するのはもちろんですけど、静学らしさを出して、しっかりビルドアップでも貢献できたらいい。(静岡学園中高の)6年間の集大成を選手権っていう大舞台で発揮できたらいいなと思うので、これからもまだまだ1か月、2か月あるので、成長していけたらいい」。静岡学園は毎回のように、選手権で新星が現れるチーム。選手権予選で活躍した選手と怪我からの復帰組、台頭してきた選手が競い合い、手応えを得た大津戦からもうワンランク、レベルアップして選手権を迎える。