「表現の不自由展」中止問題 参加アーティストが会見(全文3完)検閲は内面化したときに完成する
愛知県で開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の参加アーティストは10日午前、日本外国特派員協会(東京・千代田区)で記者会見を開いた。 【動画】「表現の不自由展」中止問題 参加アーティストが会見 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「「表現の不自由展」中止問題 参加アーティストが会見(2019年9月10日)」に対応しております。 ◇ ◇
藤井:私たちは知っています。日本政府は今回、市民社会の中で発生した緊張を緩和するための努力を怠りました。政府は国の芸術支援の取り消しや縮小を示唆することで、特定の社会集団の感情と一体化したのです。多様な世界観や歴史観の担保を条件とする民主主義は、人々の平和を存続させる重要な生存のための技術です。国家および警察は現存する権力への対抗言説を保護するのと同時に同じレベルで抗議にさらされる芸術作品、アーティスト、キュレーター、文化機関、観客を保護する義務があります。その契約を果たすことなく論争的な作品たちが3日間で抗議の、抗論の場から排除され、今現在沈黙されている状況です。 先ほど小泉さんからもお話ありましたが、検閲は心の中で内面化したときに完成するものと私たちは知っています。私たち1人1人が、当事者が自ら自己検閲を正当化し、抗論の場を閉じていきます。なぜなら芸術の自由を保護するための規制義務が不十分だからです。グローバルに前面化するポピュリズム政治やデジタルプラットフォームが抱える構造的欠陥に耐えうる強靱な法律的、文化的なルールの設定が必要になっています。 司会:すいません(英語) 藤井:オッケー。ラストワン。繰り返します。あいち宣言、プロトコルを政治的なイベントにはしてはいけません。一連の政治的攻撃や脅迫に敗北し、一般化されてしまったこの危機的状況を、私たちアーティストが主導的にプロトコルを草案し、起草し、乗り越えていこうというのが、私たちReFreedomの考えです。以上です。 司会:江川さんまずお願いします。ではこちらの3名で最後にします。