クレジット市場のディストレスに機会-2兆7000億円運用のファンド
(ブルームバーグ): クレジットファンドを運用するビーチ・ポイント・キャピタル・マネジメントは、金利が高リスクの借り手に重くのしかかる中、クレジット市場の二極化を捉える機会を狙っている。
ポートフォリオマネジャーのシンジン・ボーロン氏は14日ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「ハイイールド債の半分が200ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)以下のスプレッドで取引され、ローン市場の半分が額面以上の価格で取引されている。このような状況は、クレジットのボラティリティーにつながるだけでなく、事態の進展に伴う潜在的なチャンスももたらす」と語った。
約170億ドル(約2兆7000億円)を運用するビーチ・ポイントは、6回だった今年の利下げ回数予想が1回になったことが市場が与える影響を分析しているクレジット・ファンドの一つだ。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は14日、利下げには当初の予想より時間がかかる可能性があるとの見解をあらためて示した。
ボーロン氏は、信用ファンダメンタルズはほぼ持ちこたえているものの、過去10年間に経験したことのないような高金利環境からトラブルの兆候が出始めているセクターもあると指摘する。また、インフレが消費者の財布にどのような影響を与え始めているのかも注視しているという。
ディストレスト債権への投資については「今のところ、非常に戦術的だ。利下げ観測がさらに後退しつつあるのに伴い動きが活発化している」と述べた。
原題:Beach Point, $17 Billion Manager, Eyes Distress in Credit (1)(抜粋)
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Sonali Basak, Samantha Stewart