“液状化”した町 復興のカギは「住民が主体的に動く」 17年前の地震の被災地に学ぶ対策
■液状化は60年前の地震でも 震源から160キロの新潟市 能登半島地震の震源地から直線距離にしておよそ160キロ離れた新潟市西区も、元日、液状化の被害が発生しました。 見る見るうちに地面に広がっていく泥。 「こちらの家はかなり沈みこんで給湯設備が全然使えなくてもう転居された。(寺尾朝日通で)300数十世帯のうちの100ちょっと、3分の1以上は何らかの被害があった」 子どもの頃からこの町で暮らす飯塚仁さん。揺れを感じて家の外に出ると、見覚えのある光景が広がっていたといいます。 地面から湧き出る黒い水。およそ60年前の新潟地震で、この地区では液状化がみられました。 2024年の元日、過去に液状化した地盤が揺れによって再び液状化する「再液状化」と呼ばれる現象が起こったのです。 Q. 当時はここまで住宅地でなかったから知らずに建てた? 飯塚さん「そうです」「あと何年も住めないという(高齢の)人もいますから何らかの支援をしてもらいたい、それが一番」 一度液状化した土地で地盤への対策をとらずに住宅の再建を進めれば、地震のたびに住まいを失うリスクを今後も背負うことになります。 一方、早急に住民の合意をとって対策をしたことで、液状化被害から再建した町もあります。 ■住民一体で対策工事 “再液状化”防いだ団地も 記者 「新潟県柏崎市山本団地です。中越沖地震で液状化の被害がみられたエリアですが、その後対策を講じたことで能登半島地震による液状化は見られませんでした」 新潟県柏崎市の山本団地は川沿いを盛土で埋め立てた造成宅地。2007年、最大震度6強を記録した中越沖地震では液状化などで家屋50戸が全半壊の判定を受けました。 「揺れで液状化して(壁が)倒れた、下の家によりかかった。 こう振り返るのは、本間裕子さん。住民たちが当時立ち上げた「山本団地地域再建を目指す会」の中心人物です。 会では高台にある山本団地の特性を踏まえ、工法について自分たちでも研究し、市や県のみならず国交省にも直接陳情したといいいます。