集団的自衛権とはどう違う? 「集団安全保障」とは
自衛隊の機雷掃海活動など想定か
たとえば、朝鮮半島に有事が起きて集団安保にもとづく朝鮮国連軍が活動を再開した場合、自衛隊が機雷掃海や朝鮮国連軍の観戦防護を行うこともできるということです。政府与党が考えているのはこのような自衛隊の機雷掃海活動への参加といわれ、国際法上、紛争が停戦する前の機雷掃海活動は「武力行使」と認定されますが、解釈を変えて集団安保への参加範囲を広げようとの考えです。先日の予算員会でも、安倍首相は「自衛隊がペルシャ湾で機雷除去に従事しても法的に問題ない」と答弁しています。 もっとも、集団的自衛権に加え、集団安全保障への参加範囲も広げれば戦争に巻き込まれる可能性はさらに高くなります。政府は憲法解釈の変更にともない、自衛隊法や周辺事態法、武力攻撃事態法、PKO協力法など、関連する10本以上の法律の改正案を秋の臨時国会に提出します。こうした法案にどこまで活動拡大を盛り込むのか、基本ルールをどのように変更するのか、国民全員でしっかり議論を見守る必要があるでしょう。 (真屋キヨシ/清談社)