迷いクジラ「淀ちゃん」処理費“倍増”に疑惑・・・業者との交渉記録を入手 「ええ加減にせえよ」“担当外”の課長が何度も金額引き上げを迫る様子
去年1月、大阪湾で死んだクジラの処理費用が当初試算の2倍以上に膨れあがった問題。ABCテレビは当時の交渉記録を入手。そこには恫喝ともとれるやりとりが残されていました。
業者との交渉の場に“担当外”の課長が同席 記録から浮かぶ背景は
果たして契約は本当に適切だったのか。クジラの処理費用が“水増し”されていた可能性が浮上しました。 これは去年1月、クジラが海洋投棄されてから約2ヵ月後に行われた大阪港湾局と海運業者の処理費をめぐる交渉記録です。市側は海務課長のほか、なぜか本来担当ではない経営改革課長が出席していました。(※肩書きは当時) (海運業者)「一番ブラックボックスに出来るのはクジラの清掃なので、そこをうまく8000万台へもっていったらいいんちゃうの」 (経営改革課長)「とりあえず『積まんことには話にならん』ということやね。8000万を超える数字を出さないと」
「ええ加減にせえよ」金額の引き上げを何度も迫る様子も
市が試算する処理費用は3774万円。それをはるかに上回る金額まで引き上げるよう海務課長に何度も迫ります。 (経営改革課長)「まだ8044万でアカンの?」「8044万」 (海務課長)「みんなこれを飲み込めるか…」 (経営改革課長)「飲み込むも飲み込めへんも、なんも根拠がないからそれを引っ張ってきました、だけでしょ」 まるで8000万円という金額ありきで進められた契約交渉。その中では「恫喝」ともとれる発言も… (海務課長)「僕が飲み込めない数字になってきているので」「ちょっと(局長へ)諮らんと」 (経営改革課長)「諮らんでええって、もう。この期に及んでそんなこと言ってる時間ないやろ!!」「ほんま、お前ええ加減にせえよ!!」
当初見積もりの2倍超 8000万円あまりで業者と契約
結局この交渉から4日後、8019万円で業者と契約。当初市が見積もっていた金額からはかけ離れたものでした。 この疑惑に、大阪市の市民団体は住民監査請求をおこしました。そして4月、市の監査委員は「金額ありきで交渉が進められたと強く疑念を抱かざるを得ない」との監査結果を公表していました。