名スカウトがドラフト採点! 成功した球団はどこか?
2014年のドラフト会議が終わった。クジ引きのドラマは、4球団が競合して日ハムが獲得した早大の有原航平、2球団が競合して楽天が引き当てた安楽智大の2人だけだったが、果たしてドラフトに成功したチームはどこだったのだろうか? もちろん、その答えは、来年、いや2年後、3年後に出てくるもの。ドラフトの泣き笑いは、1日で終わるわけではないが、ヤクルトのスカウトの責任者を30年以上も続けてこられて、この世界の裏も表も知り尽くしている片岡宏雄氏(78)に、2014年のドラフトを総括してもらった。 「それぞれのカラーが見えたドラフトだったと思う。即戦力の投手を狙うチーム。将来性にウエイトをおいたチーム、社会人、大学生を上位で取ると、どうしてもお金がかかるので、それぞれのチーム財政も反映されたのかとも思う」 その上で片岡氏は今回のドラフトに最も成功したチームに日ハムを挙げた。 「一番は日ハムじゃないか。即戦力を有原で押さえ、2位で大型捕手の清水ら育成を目的とした高校生を7人も並べた。有原に関しては、ゆっくりと育てることに主眼をおいたほうがいい。今の状態のまま開幕からローテーに入れるなどと考えて無理をさせると西武にいった大石の二の舞になる。だが、そこを上手く育成できれば巨人の菅野以上になれる可能性を秘めていると思う」 また片岡氏は、巨人、ソフトバンクの長期的な戦略を評価した。 「巨人が一本釣りをした岡本は正解だと思う。将来4番を打てる右の長距離砲は10年に一人しか出ない。もし有原を1位指名してクジを外した場合、取れるかどうかは微妙だっただろう。巨人なら即戦力投手はFAを使えば補強できるのだから、生え抜きの4番候補を育てようという意思が見えた。そういう点ではソフトバンクもそうだ。将来性と地元重視というテーマが明確に見えた。5位の島袋は、おそらく王さんの提言のような気がする」 巨人は智弁学園の通算73本を打った岡本和真を単独指名。ソフトバンクも甲子園では不調だったが、2刀流の可能性を秘めるほど大型の盛岡大付、松本裕樹を単独指名。また2位ではチームの補強ポイントである捕手にバッティングセンスの光る右投左打の春江工高の栗原陵矢をとった。