「何度も0度を下回ったのに…」富士山「初冠雪」が遅れているワケ これまでの「最遅」は10月26日 記録更新の可能性も
静岡放送
10月23日の静岡県内は、広い範囲で雨が降りました。この時期、平地で雨が降れば高い山では、雪が降る傾向にありますが、まだ、日本一高い山・富士山の初冠雪の発表がありません。統計開始以来最も遅い初冠雪となる可能性もありますが、なぜ、2024年は山の上でも雪が観測されないのでしょうか。 【写真を見る】「何度も0度を下回ったのに…」富士山「初冠雪」が遅れているワケ これまでの「最遅」は10月26日 記録更新の可能性も 暖かく湿った空気が流れ込んだ影響で、10月23日朝から雨脚が強まった静岡県内。この時期、平地で雨が降れば、3000メートル級の高い山では、雪が降る傾向にありますが、2024年は富士山の初冠雪の発表はお預け状態です。 <社会部 大西晴季記者> 「富士山本宮浅間大社に来ています。本来晴れていれば、綺麗な富士山を望むことができますが、きょうは残念ながら見ることができません」 富士山の初冠雪は、平年だと10月2日。2023年は10月5日に発表されていました。地元住民は“季節外れの暑さ”を体感しています。 <お宮横丁むすびや 小澤政和店長> 「今年は僕の感覚で1か月以上(長く)暑いんじゃないのかなという感覚を持っている。初冠雪はやはりみんな、ワクワクしながら期待している」 観光に来ていた人も冬の姿の富士山を待ち望んでいます。 <観光客> 「雪が積もっている方が、コントラストがあって綺麗。澄み切った空に白い富士山っていうのが良いと思う」 秋の風物詩となっている富士山の初冠雪。富士山の山頂では、何が起きているのでしょうか。 <田中健太郎 気象予報士> 「雪は0度前後になると降ります。10月に入ってからの富士山頂付近の最低気温のグラフをみると、0度を下回った日が多くありました。ただ、これらの期間はほとんどが晴れていたので、雪は積もらなかったのです」 富士山周辺では10月23日、雨雲がかかっていましたが… <田中健太郎 気象予報士> 「初冠雪となるかどうかは天気が崩れ、気温も低くなることが重要です。きょうは北にある低気圧や前線に向かって、南から暖かく湿った空気が流れ込みました。このため、天気が崩れていても、富士山山頂付近ではプラスの気温が続いています。初冠雪となるかどうかは、今夜の冷え込み次第となりそうです」
秋らしからぬ気温の高さが、初冠雪という冬の便りを遠ざけていたようです。 富士山の初冠雪は、山頂でその年の1日の平均気温が一番高かった日以降に、甲府地方気象台(山梨県甲府市)から冠雪が目視で確認できたときに発表されます。そのため、富士山の麓や静岡県側から雪化粧が見えたとしても、甲府から富士山の冠雪の様子が見えないときには、初冠雪は発表されません。 気象台によりますと、最も遅い発表となったのは10月26日ですが(1956年、2016年)、今シーズンはこの記録を更新する可能性もあります。
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